アイアンマン70.3ドバイが3月12日、日本時間の午前11時30分に男子プロカテゴリーからスタートする(エイジは11時40分より順次スタート)。2021年のアイアンマン70.3シリーズのキックオフとなるこのレース。新興トライアスロンエリアといえる中東・UAE(アラブ首長国連邦)に、プロを含む約1,400人のトライアスリートが集結し開幕を迎えることとなった。
近未来的都市ともいえるドバイを舞台に待ちに待ったシーズンが開幕 photo/Getty Images for IRONMAN
注目されるのは運営方式。このコロナ禍から生み出された新たな様式、『IRONMAN Safe “Return to Racing”』に基づいてレースは行われる。これは安全にレースを再開させるために衛生面やソーシャルディスタンスなど、アイアンマン主催者が熟考に熟考を重ねて作り上げた規格。具体的には、スイム待機所やトランジションエリアの拡大、1台のラックにセットするバイク数の制限、密を避けるためスイムスタートエリアを細分化しタイム(個別)スタート制を導入するなど。また非接触の体温計測ポイントを主要な場所に設置し、選手やボランティアのコンディションをスクリーニング。大会に関わるあらゆる関連者、ホストシティーなどの感染リスクを減らすことを目的としたレギュレーションになっている。これらを経てレースは、ついに2021年のスタートラインにつくことができたといえる。
ハンドブレーキがかかったシーズンが動き出す
前日11日に行われた記者会見で顔をそろえたプロ選手たちも、気持ちの高ぶりを抑えられなかった模様。昨年の女子プロカテゴリーの覇者、イモージェン・シモンズ(スイス)は、
「この素晴らしいドバイで13カ月前に行われた大会以降、私のシーズンもハンドブレーキがかかったままでした。そして今、再びレースに戻れることにとても興奮しています。正直、コンディションはベストではないと思いますが、そんなことはぜんぜん気にしていない。私にとってこの場にいること自体がスペシャルなことなのです。レースで38度の気温が予測され、過酷なコンディションが待ち受けていたとしても、この幸運を噛み締め、笑顔でレースに臨みたいです」とコメント。
ディフェンディングチャンピオンのイモージェン・シモンズも約1年ぶりのレースに喜びを噛みしめる(写真は昨年時のもの) photo/Getty Images for IRONMAN
アイアンマン・ハワイ4度の制覇、そして5回のアイアンマン70.3世界チャンピオンに輝いているダニエラ・リフ(スイス)は、
「ロックダウンの間、エンドレス・プールを導入するなどしてトレーニングしてきました。どのような結果がでるのか楽しみでもあります。この1年は次のレースがいつになるのか不安が続きましたが、一日一日できることを重ねてきて、ついにこの日を迎えることができました! こんなハッピーなことはありません」
プロカテゴリー優勝者のフラワーセレモニーは日本時間12日の午後4時に行われる予定。レースの成功と世界のトライアスロンシーズンの安全な船出を盛大に祝おうではないか。
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