【特集/トライアスリート的ツール・ド・フランスの視点】ブルンメンフェルトが選ぶ世界最高基準のエアロロード / ジャイアント PROPEL ADVANCED SL

TDF for Triathlete

昨年のツール・ド・フランスで世界デビューしたジャイアント/プロペル・アドヴァンスドSL(PROPEL ADVANCED SL)。その使用チームが早速ステージ2勝を挙げ、そのポテンシャルの高さを証明した。
今年のTDFではまだ勝利はないものの、同じくプロペルを駆るサイモン・イェーツ(イギリス/チーム ジェイコ・アルウラー)が個人総合5位(19ステージ終了時点)につけるなど存在感を示し続けている。

アイアンマン世界選手権チャンピオン&東京オリンピック覇者のクリスティアン・ブルンメンフェルトが、この プロペル ADVANCED SL を実戦投入したのが2022年のTDF終了後だ。8月28日に彼の母国であるノルウェー・ベルゲンで行われたワールドカップ(合計距離25.75km)に出場し、2位に入賞。ブルンメンフェルトが来年のパリ五輪を目指す相棒として選んだバイクでもあることは周知のところだろう。

さて、この世界最高峰の自転車レースに登場する(チーム ジェイコ・アルウラーの)バイク仕様にも、トライアスリートが注目すべきポイントは多い。(※写真をタップするとフルサイズで見られます)

走るコースを選ばないエアロロード
昨年、プロペルがTDFでステージ2勝を挙げたとき、注目されたのはそれぞれのコース特性が「フラット基調」と厳しい起伏を含んだ「マウンテン」だったことだ。
チームが使用するバイクメーカーが、空気抵抗の削減性能に長けるエアロロードと、オールラウンド性を備えるいわゆる軽量ロードモデルを有する場合、それらをコース適性によって使い分けるというのがセオリーともいえるのだが、2022年大会では プロペル ADVANCED SL で山岳コースに臨む選手が数名いたのだった。

そして、今年のTDFで見ると現場レベルでの確認では、すべての選手が プロペル ADVANCED SL を使用していた。これはそのまま、プロペルがどのようなコースでも高い走行性を発揮する機能、優れたオールラウンド特性を有するバイクという証左だといえる。

このプロペルのフレーム形状は近年のエアロロードの潮流に沿った洗練されたものだ。
具体的に見ると、走行時に前から風を受けるダウンチューブの前面は、抵抗を軽減するためにシェイプされた形状に、そして後部は軽量化を狙って大胆に平面カットされた特徴的なデザインとなっている(写真下)。

トップチューブはこれもエアロ効果&軽量化を狙った横に扁平加工されたシェイプで、シートステー&チェーンステー(フレームの後ろ三角を形成するチューブ)は十分な強度を得ながらも、かなりの細身にデザインされている。下の写真をご参照いただきたい。

結果、現在市販されている プロペル ADVANCED SL の完成車重量は6.8kg。トライアスロンでも注目されているエアロロード・バイクの中にあって、空気抵抗値削減、強度、軽さのバランスが世界最高基準で仕上げられているとも見て取れる。
では具体的に、TDFで投入されているバイクの詳細スペックを見ていこう。

【カデックス/カーボンエアロホイール】
ジャイアントのプレミアム・パーツブランドである CADEX(カデックス)。素材、デザイン、そして何よりもエアロ性能を突き詰めたホイールはリム部分はもちろんスポークまでカーボン製。さらにホイール回転時の風斬り抵抗を考慮し、スポークがブレード(平べったい)形状にシェイプされている。
リムハイトは様々な種類があり、チーム ジェイコ・アルウラー はトータルバランスを考慮して50mmリム高のホイールを基本とし、各ステージの特性や個人の好みに合わせてアッセンブルしていた。
もちろん、これらホイールの一般モデルは市場販売されている。

【28mm幅のタイヤを使用】
ここまでTDFステージ4勝を挙げている ヤスペル・フィリプセンのバイク(キャニオン/AEROAD CFR)と同じく、太めのタイヤがベースとされていた。
その大きな理由は、上記にリンク(赤文字)されたコラムを参考していただくとして、現在マイヨジョーヌ(個人総合1位)を着て走るヨナス・ヴィンゲゴーや、2020年、21年総合優勝のタデイ・ポガチャルなども28mm幅(ここではあえてmmと表示)のタイヤを使用しており、もはやTDFロードモデルのスタンダード・サイズと言っても過言ではないだろう。

さらには、この プロペル ADVANCED SL のフレームデザインは幅30mmのタイヤまで装着することが可能となっている。

第19ステージ終了時点でTDF個人総合5位のサイモン・イェーツと、4位とのトータル・タイム差はわずか18秒。プロペルはさらなる上位を目指すサイモンの走りを強く後押しする

以前、クリスティアン・ブルンメンフェルトに「トライアスロンバイクに求める要素」を質問したとき、『ストレスフリー』『快適性』を重要視しているというコメントが返ってきたことがあった。
実際、彼はこの プロペル ADVANCED SL の操作性の高さ、扱いやすさを大きなメリットのひとつとして指摘している。あらゆる環境下のレースやトレーニングで意のままに走りをコントロールし、自身の待ちうるポテンシャルを発揮できるバイクだということだ。

まさに3種目の総合バランスも問われるトライアスロンならではの必要性能といえる。さらには、フレキシブルな走行性能は、さまざまな地形を有する日本でも重要なキーワードとなるだろう。

《イデン・オリジナルのバイクペイントの正体は?》
ブルンメンフェルトのライバルであり同じくパリ五輪を目指すチームパートナー、2022年アイアンマン世界選手権(ハワイ)覇者のグスタフ・イデン。彼は2019年からジャイアントとパートナーシップを結んでおり、本社のある台湾は「第2の故郷」というほどの愛着をもっている。

自身にゆかりのある地を最大限リスペクトしているイデンは、使用するロードモデル、トライアスロンモデルとも、バイクの片面に生まれ故郷であるノルウェーの街を、そしてもう片面には台湾をイメージしたペイント・デザインを施している。
写真上は昨年のハワイ時のものなのだが、チェーンステー上(左足元の付近)にプリントされている絵は、彼の生まれ故郷であるノルウェー・ベルゲンの街を表したもの。そして、ダウンチューブにある “KJEMPE” とは GIANT をノルウェー語で表した言葉である。
これだけでも彼の人情味あふれる性格を示しているといえるだろう。

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