ツール・ド・フランス2021に見る東京五輪を走るバイク① 〜バンサン・ルイ編〜

TDF for Triathlete

 いよいよ7月末から東京五輪が始まる。トライスロンの舞台はもちろん東京お台場。レースの見せ場のひとつがバイクパートであるのはいうまでもなく、この高速&テクニカルなコースを各国選りすぐりのトライアスリートたちが究極のバイクを駆り疾走する。一方、現在行われているツール・ド・フランス(TDF)を見てみると、今回の五輪に出場するトライアスリートと同じメーカー・モデルを使用しているチームは多い。それらはどのようなスペックで投入されているのだろうか。バイクの特性とともに、TDF現地から最前線の情報をリポートする。

バンサン・ルイ(フランス)
使用バイク>スペシャライズド/S-WORKS TARMAC SL7

 すでに東京オリンピックのフランス代表を決めているヴァンソン・ルイ。2年連続のワールドトライアスロン・チャンピオンシップシリーズ(WTCS)チャンピオンで、今回のトライアスロン男子優勝の有力候補のひとりとなる彼が使用するのが、ツール・ド・フランスでも注目されているオールラウンドモデル『スペシャライズド/S-WORKS TARMAC SL7』だ。
 スペシャライズド・ブランドのバイクは、アイアンマンのみならずWTCSでも多く使用されている。先月行われた横浜大会を見ても2015年以降、確認できているだけでもダントツのトップシェアを誇り、また多くのウィニングバイクを輩出してきた。
 S-WORKS TARMAC SL7 はターマックのラインはでオールラウンド・ロードモデルのフラッグシップとなる。軽量性、エアロダイナミクス、そしてシビアなハンドリングなど、現行ロードバイクの頂点の一台といえるモデルである。

<ツール・ド・フランスで使用するチーム>
・ボーラ・ハングスローエ(ドイツ)
・ドゥクーニンク・クイックステップ(ベルギー)

ボーラ・ハングスローエ、ドゥクーニンク・クイックステップの2チームとも(タイムトライアルを除く)19ステージすべてを S-WORKS TARMAC SL7 で戦う

 両チームとも2019年まではエアロロードとなるヴェンジと、オールラウンドモデルのターマックをコース特性や選手の好みにあわせて使い分けていた。しかし S-WORKS TARMAC SL7 が出た2020年大会からはバイクを1本化。つまり新型ターマックは、平坦な高速ステージからテクニカルコース、そしてヒルクライムまでをこれ1台で十分乗り切る性能を備えていることを表している。
 このニュータイプ(幅広いコース適応特性をもつモデル)ともいえるオールラウンドバイクは、ここ2年ほど前からのツールでもトレンドとなっていて、ピナレロ/F12に始まり今年はラピエール/エアコードDRSなど各メーカーが新モデルを輩出、あるいは熟成を重ねていることは、トライアスリートも知っておきたいところだ。
 ツールに出場しているボーラ・ハングスローエとドゥクーニンク・クイックステップのバイクの仕様はほぼ同じ。メインとなるコンポーネンツこそシマノ・デュラエースだが、ホイールなどエキップメントはスペシャライズド傘下のメーカーでそろえられている。

シマノ・コンポーネンツのツール・ド・フランスにおけるシェアはもはや圧倒的になった

ボーラ・ハングスローエでは前後で違うリム高のホイールを組み合わせるライダーが多い

 ビッグメーカーらしいアッセンブルともいえるが、特に注目したいのはロヴァールのエアロホイール。リアに50mm、フロントにそれよりもハイト(リム高)が低いホイールの組み合わせをチョイスしている選手が多く、高い次元でのエアロ効果と操作性のバランスを目指していることがわかる。
<取材協力>Triathlon GERONIMO ※リンク

関連記事一覧

おすすめ記事

過去の記事ランキング

  1. 1

    国内大会からまたハワイへの道が開かれる日が!2023年日本でアイアンマン開催実現に期待しよう!

  2. 2

    トライアスリートのためのツール・ド・フランス特集2020 速攻TTバイクリポート

  3. 3

    フェルトの新型トライアスロンバイク 2022年の注目モデルをチェック

  4. 4

    最速TTバイク/五輪を制した “サーヴェロ・P5” を検証する

  5. 5

    ブルンメンフェルトの強さ&速さの秘密とは?【前篇】/宮塚英也のトライアスロン“EYE” 〜トライアスロン・トレーニングの鉄則〜

  6. 6

    世界のアイアンマン・2021シーズンの今

  7. 7

    九十九里トライアスロン2021【動画リポート】

  8. 8

    クリスティアン・ブルンメンフェルト アイアンマン・7時間21分12秒の衝撃 / 世界記録を更新

  9. 9

    2023年のアイアンマン・ハワイも2日開催に。シリーズ全17大会で女性スロットを拡充

  10. 10

    ブルンメンフェルトが利用する最先端ウエアラブル・センサー “CORE” 次世代トレーニング・アイテムに注目

おすすめ記事 過去の記事
  1. コリンズ・カップは世界トッププロたちの重要ターゲットになり得たか

  2. 水郷潮来トライアスロン2020【動画リポート】

  3. ブルンメンフェルトの強さ&速さの秘密とは?【後編】/宮塚英也のトライアスロン“EYE”  〜クリスティアンのトレーニグ改革〜

  4. トライアスリートのためのTDF【TTバイク編②】 ヴィンゲゴー VS ポガチャル / 雌雄を決する高次元のファストTTバイク

  5. トライアスロンのグラミー賞 “GTA ’s” が開催 / ニナー賢治がルーキーオブザイヤー・アスリートにノミネート!

  6. トライアスリートのためのTDF【TTバイク・番外編】スタート前のレースパドックをチェック

  7. 賞金総額 “4億円” のシリーズ戦。2022シーズンの新基軸に加わる注目の “PTOツアー”

  8. 《Hawaii 特集》10月9日(日本時間未明)にアイアンマン・ハワイ男子プロがスタート / クリスティアン・ブルンメンフェルトの同一年世界選手権制覇なるか(男子プロ有力選手展望)

  9. 歴史的瞬間を見逃すな! フェニックスSUB7&SUB8 プロジェクト/男女7時間&8時間の壁を打ち破るか?

  10. IMセントジョージ特集 / 宮塚英也のトライアスロン“EYE” 『今週末のアイアンマン世界選手権の注目点はここだ』

  1. トライアスリートのためのツール・ド・フランス特集2020 エアロロードという選択肢

  2. 東京五輪のコロナ対策でフォーカスすべき “Bubble (バブル)” とは?

  3. ツール・ド・フランス2021に見る東京五輪を走るバイク② 〜ドリアン・コニン編〜

  4. 新しい地平を開くコリンズ・カップ。賞金総額1億6千万円のレースが開催

  5. ツール・ド・フランス 2021に見る東京五輪を走るバイク③ 〜アレックス・イー編〜

  6. トライアスリートのためのツール・ド・フランス特集2020 ブレーキシステムのトレンドを追う

  7. 【動画】チーム&クラブ訪問/Team BRAVE 編(兵庫)

  8. 躍進するシマノ。今年のツール・ド・フランスにも注目

  9. グスタフ・イデンとアシュリー・ジェントルがツアー開幕戦を勝利 / PTOカナディアン・オープンが開催

  10. ツール・ド・フランス2021特集 レースを支える応援者は“もうひとりの主役”

TOP