ブルンメンフェルト『ついに闘う日が来た』。フロデノ『鳥肌が立つね』 。世紀の一戦がスペイン・イビザ島で開催 / PTOヨーロピアン・オープン

PTOレース

ヤーン・フロデノとクリスティアン・ブルンメンフェルトのマッチアップ。
5月にスペイン・イビザ島で行われるイベントに今、世界中のトライアスロン・メディアが注目している。(写真をタップすると拡大して見られます)

《 一昨年のコリンズ・カップで男子出場者の主役を演じたしたフロデノ 》

PTOヨーロピアン・オープン(ミドルディスタンス)。
コリンズ・カップ などを主催している Professional Triathletes Organization が、5月6日に欧州で初めて開催する PTOツアーだ(シリーズ戦でアジアでは今年8月19・20日にシンガポールで実施)。

【男子プロ / 女子プロ出場者リスト】

このプロカテゴリーにはコリンズ・カップ同様、ロングを中心としたトップアスリートが集結。昨年10月のアイアンマン世界選手権(ハワイ)でポディウムを獲得した選手はもちろん、今年もシーンの中心を担うであろうトライアスリートたちの名が数多ラインアップ。
レース出場については PTO世界ランキング が選考対象のひとつとなっていて、昨シーズン実績を残した選手たちがメインとなっている。

そんな中、ケガなどによりこの1年以上レースリザルトを残していないヤーン・フロデノ(ドイツ)が、ワイルドカード参戦すると発表。これにブルンメンフェルト(ノルウェー)が呼応したことにより因縁めいたストーリーはスタートした。

《 昨年、アイアンマン&アイアンマン70.3の世界タイトルを獲得したブルンメンフェルト 》

ことの発端はライオネル・サンダース(カナダ)の今年1月のインタビューにある。
「昨年、躍進を続けたふたりのノーウィージェン・ヤングスター(ブルンメンフェルトとグスタフ・イデンのこと)をどう思うか。それに対して(調子が上がらない)フロデノのパフォーマンスの見解は?」といった問いに対して、
『フロデノと彼らを比較するのは時期尚早で、無礼な話だね。ヤーンはこの競技の価値をさらに高めたリスペクトすべき偉大なアスリート。彼ら(ノルウェー選手ふたり)はヤーンと一度もレースをしていないし、当然打ち負かしているわけでもない。F○cking な質問だ』と、まるで挑発をするような見解を発してまわりをザワつかせていたのだった。

《 隣り合わせで昨年10月のアイアンマン・ハワイのレース前カンファレンスに臨むライオネル・サンダース(右)とブルンメンフェルト 》

その後、ヨーロピアン・オープン参戦を表明したブルンメンフェルトに対し、フロデノが「対戦を楽しみにしているよ」とSNS上でコメントすると、「落ち着いて、落ち着いて。イビザでお会いしましょう(ブルンメンフェルト)」と返すなどして対決ムードがエスカレートしていた。

そして4月13日にフロデノが、正式にワイルドカード参戦を決めると、ブルンメンフェルト本人が直接フロデノの携帯に連絡。
「ついに闘うときが来たね。楽しみにしているよ」という彼からのコールを切ったあと、「おい、おい。ちょっと鳥肌が立ってきたね。さあ行こうか」と下記にて決意を表している。

これらは、いささかエンターテイメント性を際立たせたストーリーに見えなくもない。そして同レースにはもちろん、彼らに引けを取らないビッグネームたちが名を連ねており、誰が勝ってもおかしくないハイレベルな大会になるのは必至だ。
しかし、それらを差し引いてもふたりの対決に大きな注目が集まるのは間違いないだろう。

ところで、このイビザ島では同期間にワールドトライアスロンの マルチスポーツ世界選手権 が行われ、ロングディスタンス・トライアスロン、デュアスロン、アクアスロンなどの世界選手権がほぼ同じロケーションで実施される。

《 昨年のITUロングディスタンス・トライアスロン世界選手権を征したルーシー・チャールズ – バークレー。会場はコリンズ・カップの翌日にほぼ同じコースで実施されていた 》

実は昨年も、8月にスロバキアで行われたコリンズ・カップと同時開催というかたちで、ワールドトライアスロン・ロングディスタンス世界選手権などが行われており、外からだとエリートレースの棲み分けがわかりにくい座組にも見えた。
今回もワールドトライアスロン・マルチスポーツ世界選手権、PTOレースの開催期間が重なり、実際どのようなレースウィークになるのかにも興味が集まるところだろう。

いずれにせよ、シーズン前半ハイライトのひとつとなるイビザでの大会。5月6日のレース模様はライブ配信される予定なので注目してみよう。

>> PTOヨーロピアン・オープンのサイト ※リンク

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