ヴィンゲゴー&サーヴェロ / 日本を走ったマイヨジョーヌ。トライアスリート注目のサイクルロードレース最強タッグ

2022年のツール・ド・フランス(TDF)を征したデンマークのヨナス・ヴィンゲゴー。
今年のTDFは、彼の母国のコペンハーゲンでグラン・デパールを迎え、3週間続くレースの第2週、アルプスステージで総合トップを奪取。そこからも鉄壁の強さを保ち黄色のジャージとともにパリへと凱旋した。

そのヴィンゲゴーが11月6日に行われたツール・ド・フランスさいたまクリテリウム2022出場のため初来日。内外で注目を集めた。

彼が所属するチームはオランダのユンボ・ヴィスマ。ブエルタ・ア・エスパーニャ3勝のプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)、今年TDFのポイント(スプリント)賞を獲得したワウト・ファンアールト(ベルギー)など多くのタレントを擁し、名実ともに世界トップのプロ・サイクリングチームである。

サイクルロードレース界でも、バイクライド時の風洞実験など『エアロダイナミクス』の進化・研究はとどまるところを知らず、さらにはそのテクノロジーを各自転車メーカーにフィードバックするという流れは常とうになっているのが現状。
そんな中、ユンボ・ヴィスマは最も先端を行くチームのひとつとしても知られている。

そのチームが採用しているバイクが、トライアスリートにも人気の “サーヴェロ” だ。
TTバイクのP5、エアロロードのS5、そして軽量モデルのR5など、機材面では2022年のTDFで最も注目を集めたバイクメーカーといえるだろう。

一方で、今年10月のアイアンマン世界選手権(ハワイ)で女子3位に入り、現在 PTO世界ランキング 1位のアンネ・ハウク(ドイツ/写真上)が愛用するなど、ロングのトップトライアスリートの中でも長年人気を博し続けているのもP5だ。

写真は5月のアイアンマン世界選手権(セントジョージ)と8月に行われた コリンズ・カップ のときのもの。愛用ホイールは、TDFでも数チームが使用しているDTスイスのエアロ&ディスクモデル。フレームカラーとバイクシューズのマッチングがひときわ目立つ

アイアンマンとTDF。これらに投入される各モデルは、細かいアッセンブルの違いはあるもののベースは同じ。P5がいかに完成度の高いトライアスロン&TTバイクということがわかる。

そして、今年のTDFでユンボ・ヴィスマがアッセンブルしたパーツの中で注目したいのが、サーヴェロがMTBメーカーのサンタクルズと共同開発したホイールブランド『リザーブ』製のエアロ・ホイールだ。

ユンボ・ヴィスマはシマノの機材サポートを受けているが、時と場合により、他社のスペシャル・パーツを利用することはTDFではよくあること。
昨年はTTステージのP5、またS5などのロードバイクにも、メーカーロゴのないリザーブ製ホイールを履いたステージが幾度も確認されている。

そして今年もTTステージでリザーブのエアロディープリム&ディスクホイールを使用していたのだが、今回はシッカリとロゴが表示されていた。

今夏、新しくモデルチェンジしたエアロロード・S5の販売完成車にも基本、このリザーブのホイールが装備されていることを考えると、今後、トライアスロン界でも多くに愛用されるブランドになっていく可能性はあるだろう。

そして先週のさいたまクリテリウムで、ヨナス・ヴィンゲゴーのために持ち込まれたバイクが前述の新型S5だった(写真下)。

このバイクの性能の高さを印象づけたのが今年のTDFの山岳ステージ。サーヴェロにはR5という軽量バイクがラインアップしており、アルプスやピレネーなど、激しい起伏が待ち受けるステージではこのモデルを使用するのが基本となる。
そんな中、数名の選手がエアロードのS5(写真下)を使用していたことに注目が集まった。

これは、S5がどのようなコースコンディションにも対応できる優れた走行性能、オールラウンド性を備えたモデルに進化したという見方ができる。

実際、TDF2022のポイント(スプリント)賞を獲得し、ヴィンゲゴーの強力なアシストとしても活躍したワウト・ファンアールト(写真下)も、超級山岳が待ち受けるアルプス・ステージでS5を使用する場面があった。
平地での高い独走力、そして下りの高速走行を得意とする彼の走りのアドバンテージを、トータルで引き出すためのチョイスと考えると、S5の完成度の高さはおのずと推察できるというもの。

トライアスリートの中でもロードバイクを決戦用にカスタマイズして利用しているケースは多く、そういったニーズに対して “エアロロード” という選択肢は大きな魅力といえるだろう。

さらには、サーヴェロは9月に復刻版ともいえる新たなラインアップ、SOLOIST(ソロイスト/下)を発表。
ここで復刻と記したのは、2000年代前半に同名のロードバイクが、当時サーヴェロのフラッグシップモデルのひとつとして存在していたから。

“SOLOIST” とは音楽では独奏者、独演者の意をもつ 。
その名からも、当時は独走でスピードを追求する “エアロ” を意識させるフォルムが印象的で、現在のエアロロードの礎を築いたモデルといっても過言ではなかった。

復活モデルは、フレーム形状は最先端エアロのS5、軽量オールラウンダーのR5との中間的位置づけ。グレード&価格帯は上記2モデルの下、いわゆるミドルレンジとなるが、一方で装着タイヤが最大で34mm幅まで使用可能など、近年のトレンドに沿ったスペックなどを有する。
サーヴェロの新たなラインアップ、バリエーションにも注目だ。

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