ツール・ド・フランス2021に見る東京五輪を走るバイク② 〜ドリアン・コニン編〜

 東京五輪のトライアスロン男子のレースは7月26日(月)にスタートする。その舞台を彩るバイク最前線コーナーの第2回目は、今年のワールドトライアスロン・チャンピオンシップシリーズ横浜大会にも出場したドリアン・コニン(フランス)が駆るラピエールの新型モデルだ。
 一方、現在行われているツール・ド・フランス(TDF)でラピエールを採用しているチームは、同じフランスのグルパマ・エフデジ(GROUPAMA-FDJ)。このトリコロールカラーのジャージが映えるライダーたちは、どういったバイク・ラインアップで戦っているのか? その最前線を現地からお伝えする。

ドリアン・コニン(フランス)
<使用バイク>ラピエール/Aircode DRS

 東京オリンピックの男子有力選手のひとり、バンサン・ルイと同じくフランス代表としてお台場に登場するドリアン・コニン。彼はフレンチメーカーのラピエール『Aircode DRS』をチョイスしている。
 先代モデルからさらに改良され、時速50kmでの走行時で最大13%の出力ワット軽減(前モデル比)を可能としたバイクは、カテゴリーとしてはすでに新ジャンルとして確立されているエアロロードとなる。しかし、そのフレーム形状を見てもわかるように、サーヴェロ/S5やキャニオン/エアロードCFRのように、ボリュームのあるダウンチューブの扁平率やシートチューブの“えぐれ度合い”(リアホイールの形状に沿ったラウンドカット)など、いわゆる極端なエアロロード・デザインの潮流とは一線を画している。最大限のエアロ効果を追求しつつ、いわゆる「オールランドモデル」的な幅のある走行性能を兼ね備えたバイクといえるだろうか。そういった点も、ドリアン・コニンがオリンピックディスタンスのレースで採用している理由なのだろう。(写真下が Aircode DRS)

<ツール・ド・フランスで使用するチーム>
・グルパマ・エフデジ/GROUPAMA-FDJ(フランス)

 フランス期待のチーム、グルパマ・エフデジとラピエールのタッグは長く、同チームのバイクといえばフレンチトリコロールをあしらったフレームカラーをイメージする人も多いのではないだろうか。
 代表的なモデルとしてはやはり、軽量オールラウンドバイク Xelius SL(写真下)が挙げられる。昨年も地元の人気ライダー、ティボ・ピノ(今年はツールには出場していない)が活躍するなどして、チームを象徴するバイクといえるだろう。特徴はシートポストを支える部分のフレームデザイン。シートステーがトップチューブに直接溶接されシートチューブ、トップチューブ、シートステーが交差し、小さな三角形を形成しているところだ。他に類を見ないオリジナリティ豊かなフレンチ・デザインといえるが、これは見た目だけではなく、クッション性能を高める狙いがある。まさに機能美と表現できるだろう。

現行モデルとなる Xelius SL。シートピンまわりの小さな「三角形」に注目。トップチューブのエンド部分が「跳ね上がった」形状もユニークだ

 Aircode DRS は軽量オールラウンダーの Xelius SL からさらにエアロ効果を高めたモデルで、昨年のツールでブランニューデビューを果たし、大きな注目を浴びていた。今年のステージでは、個人タイムトライアルにも強いステファン・キュング(スイス)が使用するなど、存在感を高めている。
 グルパマ・エフデジはシマノとの関係が深く、使用するパーツはオール・シマノといっていい。コンポーネンツやホイールはデュラエース、ハンドルやステムなどはPROが採用されている。

シマノグローバルサポートチームの最翼といっていいグルパマ・エフデジ。当然、バイクはシマノのコンポーネンツで固められている

 ちなみに今年もグルパマ・エフデジは Xeliusモデルをメインとしているが、細部をよく見るとカタログラインアップにはないバイクを投入していることが伺える。具体的にはこれもシートピンまわりのフレームデザインで、トップチューブのエンドが跳ね上がっていない(下がっている)タイプなど、全体的にコンパクトにまとめられたフレーム形状のバイクが多いのが目につく。これらは Xelius シリーズのバージョンアップ・モデルなのだろうか。今後のラインアップの展開にも注目しておきたい。

今年はシートピンまわりの「小さな三角形状」が現行モデルとは違う Xelius が投入されている

右がステファン・キュングが乗る Aircode DRS。左が今年チームがメインで採用している Xelius

ツール第11ステージ、モン・ヴァントゥの頂上を駆け上がるキュング。タイムトライアルのスペシャリストでもあり第20ステージの個人TTにも期待が集まる

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