【Challenge Roth 特集】ロング・2023シーズン前半のハイライトとなる “チャンレジ・ロート”/ 5,000人超の参加者 & トップ選手たちの共演

チャレンジ・ロート

来週末、世界のトライアスロンメディアが注目するロングディスタンスのレースがドイツで実施される。
チャンレンジ・ロート(6月25日開催)。
アイアンマンディスタンスと同じ スイム3.8km/バイク180km/ラン42.2km で行われ、昨年の参加者数は約3,500人。そしてリレーは650チームと公表されており、合計で5,000人を超える、まさにヨーロッパ最大規模のトライアスロン・イベントだ。(※写真をタップするとフルサイズで見られます)

ロートの運河を泳ぐスイムコースは現在も変わらない ©Challenge Roth 2022/Lars Pamler

その盛況ぶりは、レースの歴史を紐解いていくと納得させられる部分がある。

このロート大会のオリジナルは、アイアンマン・ヨーロッパとして1988年にスタート(開催場所は現在と同じ)。当時、世界で6大会しかなかったアイアンマンのひとつ、そして、欧州では本家のハワイと双璧をなすロングディスタンスのトライアスロンとして注目を集めるレースだった。
特徴的だったのは “超” がつくほどの高速コースと、毎年豪華なトップ選手がラインアップするイベントということ。さらには当時のアイアンマンとしては2,800人という突出した参加者数を擁する大会規模でもあった。

1996年大会には男子のアイアンマン・ディスタンスで、ロータ・レダー(ドイツ)が人類史上初の8時間を切り(7時間57分02秒)、翌年はベルギーのルク・ヴァンリルデがそれを上回る7時間50分27秒をマーク。しかもヴァンリルデは世界記録のボーナスとして、当時としては超破格の賞金約1,000万円を獲得したという歴史に残るレースとなっている。

ロート大会のハイライトのひとつとなるゾーラー・ベルク(丘)。コース唯一といえる坂道は、この先さらに観客が押し寄せていてツール・ド・フランスの山岳ステージを彷彿とさせる ©Challenge Roth 2022/Lars Pamler

2002年からは現在の“チャレンジ・ロート”と名称&体制をかえて実施(距離はアイアンマンと同じ)。以降、年を追うごとに大会ネットワークを各国に広げ、『チャレンジ・ファミリー』としてシリーズ大会も増え続けている。

そして、このチャンレジ・ロートとなってからも男子では2016年のヤーン・フロデーノ(7時間35分39秒)、2011年のクリッシー・ウェリントン(8時間18分13秒)のフルディスタンス世界記録(当時)が樹立されている。

歴代のアイアンマン世界選手権(ハワイ)覇者も毎年といっていいほど出場しており、前回大会も男子はヤーン・フロデーノ(写真上)、パトリック・ランゲ、女子はアンネ・ハークのドイツ人ハワイチャンピオンたちがエントリーしていた。

ロングディスタンス・2023シーズン前半のハイライトとなるであろうレース

昨年に開催20年の節目を迎え、新たな歴史を刻む今レースのプロフィールドにおいても、これまで培ってきたスカウティング力を発揮させ目を見張るラインアップを発表。
レース単体としては、男女分割開催となったアイアンマン世界選手権に替わり、トータルでのロング最高峰イベントといっても過言ではない内容として実施されることとなる。
とにかく主要出場者リストを見てほしい。

【女子エントリー】

・チェルシー・ソダーロ(アメリカ/2022アイアンマン世界選手権優勝)

・ダニエラ・リフ(スイス/アイアンマン世界選手権5勝)

・アンネ・ハウク(ドイツ/2022チャレンジ・ロート優勝、2019アイアンマン世界選手権優勝)

・ローラ・フィリップ(ドイツ/アイアンマン女子・世界レコードタイム保持者)

【男子エントリー】

・サム・レイドロー(フランス/2022アイアンマン世界選手権2位、PTO世界ランク4位)

・マグナス・ディトレフ(デンマーク/2022チャレンジ・ロート優勝、PTO世界ランク3位)

・パトリック・ランゲ(ドイツ/アイアンマン世界選手権2勝、2022チャレンジ・ロート2位)

・セバスチャン・キーンレ(ドイツ/2014年アイアンマン世界選手権優勝)

以上はそのビッグネームたちのほんの一部。今年2月上旬のプロフィールド・リストのアナウンス後、各国のトライアスロンメディアがざわついたのもうなずけるだろう。

さらには、ロートの大会期間中に実施されるエキスポには『世界最大』と主催者が謳っているように、3会場にわたって100を超えるブースが出店。欧州にとどまらず世界のトライアスロン・トレンドの発信源にもなっている。

この注目レースの模様は大会ホームページからライブ配信で視聴が可能。

また TRIATHLON LIFE では大会リポートはもちろんのこと、レースウィークの模様を現地ドイツからお届けするので、そちらのほうもご期待いただきたい。

>> チャレンジ・ロート大会のホームページ(6月25日開催) ※リンク

関連記事一覧

おすすめ記事

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

過去の記事ランキング

  1. 1

    アイアンマン ジャパン みなみ北海道。2024年9月15日(日)開催を目指し実行委員会が立ち上がる / 日本にフルディスタンスのアイアンマンが帰ってくる!

  2. 2

    ブルンメンフェルトの強さ&速さの秘密とは?【前篇】/宮塚英也のトライアスロン“EYE” 〜トライアスロン・トレーニングの鉄則〜

  3. 3

    クリスティアン・ブルンメンフェルト アイアンマン・7時間21分12秒の衝撃 / 世界記録を更新

  4. 4

    最速TTバイク/五輪を制した “サーヴェロ・P5” を検証する

  5. 5

    2023年のアイアンマン・ハワイも2日開催に。シリーズ全17大会で女性スロットを拡充

  6. 6

    トライアスリートのためのツール・ド・フランス特集2020 速攻TTバイクリポート

  7. 7

    フェルトの新型トライアスロンバイク 2022年の注目モデルをチェック

  8. 8

    アイアンマン ジャパン みなみ北海道 の2024年9月15日開催が正式にアナウンス / エントリーは12月19日の午前9時よりスタート!

  9. 9

    ブルンメンフェルトの強さ&速さの秘密とは?【後編】/宮塚英也のトライアスロン“EYE”  〜クリスティアンのトレーニグ改革〜

  10. 10

    アイアンマン70.3東三河ジャパン in 渥美半島 が6月10日(土)に開催!/ 世界選手権への道(フィンランド・ラハティ)も日本から!

おすすめ記事
過去の記事
  1. 『 T100 』 サンフランシスコ大会が開催 /【女子レース】テイラー・ニブ。パリ五輪へ視界良好 【男子レース】同タイムで着差アリ。史上まれに見るデッドヒートに

  2. 最速TTバイク/五輪を制した “サーヴェロ・P5” を検証する

  3. 【IMニース世界選手権・特集】ヤーン・フロデーノのラストダンスに注目 / 『常にプレッシャーは感じている。それが楽しいことでもあるんだ』 〜出場プロ注目選手 ① 〜

  1. 2023年のアイアンマン・ハワイも2日開催に。シリーズ全17大会で女性スロットを拡充

  2. トライアスリートのためのツール・ド・フランス特集2020 ブレーキシステムのトレンドを追う

  3. 東京五輪のコロナ対策でフォーカスすべき “Bubble (バブル)” とは?

TOP
CLOSE