PTOがスイム2km/バイク80km/ラン18kmのワールド・ツアー8大会を発表 / ワールドトライアスロンとパートナーシップ開催へ

PTOレース

昨年8月にワールドトライアスロンと Professional Triathletes Organisation(PTO/イギリスに拠点を置くトライアスロン機構)が、ロングディスタンス・トライアスロン世界選手権ツアーを実施する ことで提携。2024年シーズンにシリーズ戦を展開すると公表していたが、その全容がアナウンスされた。

『T100トライアスロン・ワールドツアー』と新たに命名されたシリーズ戦は全8レース。距離はすべて スイム2km+バイク80km+ラン18km の合計100kmとなる。
3月9日にアメリカ・マイアミでスタートし、11月末に間もなく発表されるという中東開催地でのグランドファイナルで今年のシーズンを終える予定(上記参照)。このシリーズ戦はワールドトライアスロンに、ロングディスタンス・トライアスロンの公式世界選手権ツアーとしても認定されている。

昨年8月のアナウンス時では、5大陸にまたがる6レース以上のシリーズ戦として展開し、その詳細は(昨年)10月末までに発表するとしていた。しかし昨年末までに決定していたのは2024年4月のシンガポール、9月のスペイン・イビザ島での2レースのみ。
それが実施エリアは3大陸にとどまったものの、今年に入って一気に全8レースへと拡大することが決定したわけだ。

ロンドンで行われた T100トライアスロン・ワールドツアーの特別発表会に出席したルーシー・チャールズ – バークレー(右)とアリスター・ブラウンリー。それぞれイベントの大きな可能性に期待を込めていた

プロ入賞者への高額賞金レースとしても知られているPTOイベントは、今回も各シリーズ戦ごとに25万ドル(約3,600万円)の総額を設定(男女1位に各360万円、2位に230万円など)。
また同ツアーは、各レースで順位に応じて獲得するポイントの合計でシリーズランキングを決める。そして11月に行われるグランドファイナル終了後、シリーズのランキング対象者に総額200万ドル(2億9,000万円)が用意され、男女総合の各1位選手は21万ドル(3,000万円)を手にすることができるという。

昨年のイビザ大会を制したアンネ・ハウクはの今年の出場もいち早く宣言している

相変わらず破格ともいえる賞金額だが、PTOの活動理念のひとつである「プロ選手が競い合うトライアスロンを世界的なスポーツの舞台として高めていく」という目的に十分フィットした設定となっている。PTOが指標にしているというテニスやゴルフの世界メジャー大会と引けをとらない報酬ともいえるだろう。

これらはすなわちプロとして活動しているトライアスリートにとって、大きな求心力を発していることは言うまでもない。
実際、昨年にスペイン・イビザ島での大会開催が発表されたときにアンネ・ハウク(2023アイアンマン世界選手権コナ2位)は早々に参戦を表明。ほかにも歓迎のコメントを公表するアスリートは多々いた。

昨年、競技の距離を問わずレースシーンを席巻したテイラー・ニブも出場契約メンバーになっている

このツアーに出場できるのは、主催者と契約した男女それぞれ20人のトップアスリートたち。PTO世界ランキング の上位者が中心となり、男子はマグナス・ディトレフ(PTOランキング2位)やサム・レイドロー(2023年アイアンマン世界選手権ニース優勝)、女子は前述のハウクやルーシー・チャールズ – バークレー(2023年アイアンマン世界選手権コナ優勝)、テイラー・ニブ(パリ五輪アメリカ代表、アイアンマン世界選手権コナ4位)などそうそうたるメンバーが顔をそろえる。
それに加え、ワイルドカード出場枠としてフローラ・ダフィ(東京オリンピック優勝)、現役復帰したハビエル・ゴメス(ロンドン五輪・銀、ITU世界選手権5勝)などがラインアップしている。
<ほかの出場予定者はこちらのリリースを参照(英文)>

昨年躍進したマグナス・ディトレフは得意とするバイクを武器にシリーズチャンピオンを狙う

契約アスリートは、パリ五輪出場選手以外はシリーズの5戦以上とグランドファイナルに出場することとなっており、各レースでは選手のエントリー状況によりワイルドカードも用意されるという。

話題を集めるチャールズ – バークレーの動向
ここで注目したいのが大会のスケジュール。特に 9月28・29日のイビザ大会 と10月19・20日のラスベガス大会だ。
イビザの前週にはフランス・ニースでアイアンマン世界選手権(9月22日・女子レース)、ラスベガスの翌週にはハワイ島・コナでアイアンマン世界選手権(10月26日・男子レース)が開催される。
消耗が激しいロングディスタンスのレースをメインターゲットとした場合、連戦(ニース→イビザ、など)は考えにくく、特にミドル〜ロングを主戦場にしているトッププロ選手たちのシーズン・スケジュールに少なからずのインパクトを与えることなるだろう。

その代表といえるのがルーシー・チャールズ – バークレーだ(写真上)。
ロンドンでの T100レースが行われるエリアに位置する市庁舎で行われた特別発表イベントに出席した彼女は、今シーズンはT100トライアスロン・ワールドツアーに集中するとコメント。9月のフランス・ニース大会(アイアンマン世界選手権)には出場しないだろうと発表している。
故障や引退、やむを得ない私的な理由などを除き、前年のアイアンマン世界選手権チャンピオンが、開催地が変わるとはいえタイトル防衛となるレース出場を見合わせるというのは過去に見たことがない。それだけT100シリーズの位置づけが大きいものだという表れだろう。
チャールズ – バークレーのアイアンマン世界選手権での姿を見るのは、2025年のハワイということになりそうだ。

また、このシリーズレースには一般アスリートを対象としたエイジ・レースも併催されているので、興味のある方はそちらもチェックしてみよう。

>> T100トライアスロン・ワールドツアーのHP ※リンク

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