【アイアンマン・チャレンジ企画】みなみ北海道でアイアンマンに初挑戦!『レース攻略 6カ月計画』/ 5月12日〜6月8日(第3クール)トレーニング プログラム

6カ月チャンレジ

《 みなみ北海道大会でアイアンマンに初挑戦&完走を目指すトレーニング企画を公開中!》
2025年9月14日に行われるアイアンマンジャパンみなみ北海道でアイアンマンに挑戦するトライアスリートたちへ向けた、宮塚英也さん指導による大会攻略法&トレーニング・プログラム連載です。
⬇️ アイアンマンジャパンみなみ北海道・大会HP
https://www.ironman.com/races/im-south-hokkaido
 ※エントリー受付中

指導/宮塚英也

これからでも間に合う! アイアンマンジャパン挑戦に向けたトレーニング実践企画
【 5月12日(月)〜 6月8日(日)/ 第3クール・プログラムを紹介

3月よりスタートした、今秋9月14日(日)に開催されるアイアンマンジャパンみなみ北海道に向けた6カ月間にわたる大会攻略法&トレーニング プログラム実践企画。
これから大会の申し込みを考えている人、アイアンマンに初挑戦したいという人もダイジョウブ。日本でもっともアイアンマンを知り尽くしているひとりである宮塚英也さんが、システマティックで確実な練習計画を今後も提供してくれます。

《 9月14日に向けたトレーニング プログラムを 4週間単位で紹介 ~ その③ ~ 》

3月24日にコラムがスタートし、9月14日(日)に開催されるアイアンマンジャパンに向けたトレーニング・プログラムを6回に分けて(全6クール)紹介予定。
これに加え、欠かすことのできないレース前2週間の調整メニューも併せて提供していくチャレンジ企画の第3弾になります。 ※下記、全クール行程表の赤字部分

第1、2クールまでのベースづくりを経て、秋の本番へ向けてトレーニングのペースを徐々に上げていく期間となる今回のクール。それだけに、ここまで日常的にトレーニングに取り組んでいるアスリートならば、誰でもチャレンジできる内容になっているのでぜひ参考にしてください。

【9月14日に向けたプログラム紹介スケジュール 】
・第1クール:3/24(月)〜 4/13(日)
(週平均の合計練習時間めやす ※イージー週を除く:3時間30分/週)
・第2クール:4/14(月)〜 5/11(日)
(週平均の合計練習時間めやす:4時間00分/週)

・第3クール:5/12(月)〜 6/8(日)
(週平均の合計練習時間めやす:6時間00分/週
※今回

・第4クール:6/9(月)〜 7/6(日)
(週平均の合計練習時間めやす:8時間00分/週)
・第5クール:7/7(月)〜 8/3(日)
(週平均の合計練習時間めやす:9時間30分/週)
・第6クール:8/4(月)〜 8/31(日)
(週平均の合計練習時間めやす:10時間00分/週)
・調整期間 :9/1(月)〜 9/13(土)

《 自分のトレーニング強度の指標を今一度把握しよう!》

競技レベルを問わず、長時間にわたるトライアスロンで結果を残すためには『AT値(無酸素性作業閾値)を向上させる』必要があります。そのために私、宮塚が設定している練習強度の区分は 以前の連載コラム でも紹介しました。

具体的には エンディランス1(E1)〜 エンデュランス4(E4)に分け(下表)、それぞれをを段階的、そして機能的にプログラミングすることにより、レースに向けて効率的なフィットネスレベル向上を目指していくことになります。
そのためにも自身の練習強度値をシッカリと設定し、頭にインプットして日々のプログラムに取り組むことが大切です。

※タップして拡大できます

>> トレーニング強度による運動時心拍数の算出方法詳細はこちらを参照 ※リンク

第3クールはレースから逆算してトレーニング プログラムを組み立てていく段階へ。ただし無理は禁物!

これまでの2カ月間はいわゆるベースづくり。無理のない継続的なトレーニングで「トライアスロンの基礎体力」を養い、1週間の中でバランスをとりながらの運動を習慣づけることを目的としていました。
そういった助走区間を経て、これからのプログラムは徐々にではありますが、トレーニングの時間と強度を上げていくこととなります。

今回の第3クールがスタートする時点(5月12日)は本番(アイアンマンジャパン)4カ月前。ここならは9月14日から逆算して、全体のトレーニングスケジュールを細かく組み立てていく時期でもあります。

具体的には今回、エンデュランス1(E1)レベル を上回る E2 強度のトレーニングが初めてプログラム内に登場。1週間のトレーニング頻度も、これまでの週5回から週6回へと増えています。
その結果、1週間単位のトレーニング合計時間の平均(イージー週を除く)は、前クールの4時間/週から約2時間(6時間/週)増えています。

ただ、このトレーニング量は「ノルマ」ではなく、あくまでも目標ととらえてください。
もちろんシッカリとすべての行程をやり切るのがベストですが、これまでにない身体への負担(疲労)を感じる人もいるでしょう。
そういうトライアスリートは全体メニューの 7〜8割程度のプログラム達成を目標としてください。
それだと1週間の平均合計トレーニング量は4時間強。第2クールとほぼ変わらない(強度は少し上がっている)練習時間でもあり、クリアしやすくなるといえるでしょう。

今から1カ月後にレースがあるわけではなく本当の勝負はまだ先。9月のアイアンマンまでの道のりはまだまだ続くわけですから、ここで無理をして体調でも崩すようならば元も子もありません。

実は今クールの4週間トレーニングに限らず、今後続く第4〜6クールのプログラムも同じく許容の幅を持たせています。
もちろん提示するプログラムどおり、すべてをシッカリとカバーできればまったく問題ないのですが、最低でも全体の8割くらいをクリアしていくことができれば、アイアンマンジャパンをある程度楽しみながら(比較的余裕をもって)完走できるレベルに仕上げられる内容となっています。
ですので、焦ることなくマイペースでプログラムを進めていってもらいたいと思います。

《 アイアンマンジャパン対策スイム・テクニックを動画で紹介!》

アイアンマンジャパンの昨年のスイムでは、真っ直ぐ泳ぐためのスイムテクニックが特に大切になりました。
またスイム会場となる上磯のコースに限らず、海で泳ぐレースのコンディションが不安定となった場合、普段のプールでのトレーニング環境と違い過ぎてパニックに陥るケースも多いのではないかと思います。

そのための対策として、当連載でも ヘッドアップスイムのトレーニング方法 などを紹介してきましたが、ここでは『大人になって泳ぎ始めた』アスリートに向けて、とっておきのトレーニング方法を紹介しましょう。

ストロークはヒジ(肘)を曲げて良い!

よくストロークの指導で「入水後は腕を真っすぐ伸ばし、大きくグライドしたあとヒジを立ててキャッチする」と教わることがあると思いますが、これができるのはかなり泳ぎのレベルが高い人。
スイマー出身のアスリートならば慣れたものかもしれませんが、大人になって泳ぎ始めたアスリートにはなかなか体現できないテクニックと言えます。

しかも、コンディションが変わりやすい海の中ではより実戦に沿ったテクニックの習得が活きるケースは多い。
そんなオープンウォーター向きの、しかも大人から泳ぎ始めた選手が取り組みやすいテクニックが『ヒジを曲げたストローク』スイム です。
これをマスターすることによりストロークに関わる過度な負荷が軽減され、悪コンディションの中でも自身の(水中での)位置関係を比較的冷静に把握できたり、ヘッドアップ・ポジションをとりやすくなったりします。
さらには、海だけでなく普段のプール・トレーニングで無理なく長く泳ぐのにも効果的で、ぜひとも習得していただきたい泳法。
百聞は一見にしかず。早速ここではトレーニング動画で紹介&解説していきましょう。

👉️ オープンウォーターに効くヒジ曲げストローク ※動画を参照

《自然とワキが伸びる効果的トレーニング動画 ⬇️ 》

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第3クール・4週間プログラムの紹介&解説

それでは今回、皆さんに取り組んでいただく第3クールの具体的プログラムを順に紹介していきましょう。

【 5月12日 〜 4月18日 ※表をタップして拡大

>> 詳しいメニューはこちら ※ダウンロード
前クール(4/14 〜 5/11)から、今回の第3クールのトレーニング合計時間は増加しています。
具体的には週合計の平均時間(イージー週を除く)が第2クールの約4時間から、6時間へ。1.5倍となっていますが、ここまで第1、2クールでベースを作ってきたアスリートならば、頑張ってチャレンジできる内容といえるでしょう。
注目すべき点は前クールまでは週5日(月、金曜日は休み)トレーニングだったのが、今回から休みは1日のみ。
まだ低強度、そして平日は短時間とはいえ毎日トレーニングを続けていく中、疲労が蓄積されていく傾向にあるのは間違いないので、トレーニング毎の強度設定は常に意識しましょう。
また前クール同様、表組みの中でオレンジ枠に記しているトレーニングは、今回のコラムで紹介している「ヒジ曲げストローク(動画を参照)」などの『みなみ北海道大会・対策メニュー』を取り入れているので積極的に活用してください。

【 5月19日 〜 5月25日 ※表をタップして拡大

>> 詳しいメニューはこちら ※ダウンロード
ここまで、すべてのトレーニング・メニューの強度は エンデュランス1(E1)レベル でしたが、この週から E2 強度(赤字)のメニューが入ってきます。
ただ、詳しいメニューの内訳表(上記・赤色リンクを参照)を見てもらえば分かるようにスイム、ランとも E2 強度で取り組むのはメイン(例:スイム600m、ラン2kmなど)のみ。それ以外はアップやダウンなどの低強度なので、ずっと高い強度でトレーニングを続けるというわけではありません。
それでも、E2トレーニングが「まだキツい」と感じる人は、メインの強度を上げずに(E1のまま)設定された時間トレーニングすることを優先させましょう。無理をして強度を上げる必要はありません。
また、ここまでランニングは時間表示でプログラムしてきましたが今後、「アップ + メイン(高めの強度)+ ダウン」といったコンビネーション・メニューの場合はスイム同様に距離表示となり、それぞれの強度レベルで細かく取り組んでもらうことになります。

【 5月26日 〜 6月1日 ※表をタップして拡大

>> 詳しいメニューはこちら ※ダウンロード
3週目のプログラムの合計は、2週目から約1時間分も増えています。練習強度も、引き続き E2 メニューが組み込まれており、ここが第3クールの頑張りどころのひとつ。
ただ先述しましたが、これらトレーニング時間の上乗せは順調にステップを踏んで行けた中での理想的なパターン。
日常の仕事との兼ね合いなど、「プログラムどおりトレーニングに取り組めない」「疲労で前向きになれない日がある」というときもあるでしょう。その場合、決して無理することなく強度や練習量を落としましょう。
目標としては、最低でも第3クール提供の全体プログラムに対して7〜8割の時間をクリアすること。これを合格ラインとしてください。
この週を乗り切れば、リフレッシュを兼ねたイージーな4週目が待ち受けています。そのご褒美を糧に取り組んでいきましょう。

またプログラム内容は第1、2クールと同様、バイク練習は平日(ローラー台)と休日(実走)に分けて考えられていますが、各々の週間スケジュールにあわせ、メニューや休養日を前後させるのは一向にかまいません。

【 6月2日 〜 6月8日 ※表をタップして拡大

>> 詳しいメニューはこちら ※ダウンロード

この週はリカバリーを意識した7日間になります。
トレーニングで疲労した身体は休養を与えないとレベルアップにはつながりません。フィットネスレベルが向上してくると、どんどん練習量や強度を増やしていきたい気持ちが先行するかもしれませんが、「休む」ノウハウも上手く取り入れていかないとオーバートレーニングに陥る危険性は高まります。
練習量を減らし、かつ疲労を抜きながら回復に努め、トレーニング時間がより増えていく第4クール(6月9日〜7月6日)に備えましょう。

【 第3クール・4週間プログラムの一覧&週単位のトレーニング時間 】

最後に、今回第3クールの全体プログラムを一覧で紹介します。 ※表をタップして拡大できます

それでは皆さん、充実の秋に向けて今後も着実なステップアップを体現していきましょう!
(次回の連載コラム公開は 6月2日ごろの予定です)

⬇️ アイアンマンジャパンみなみ北海道・大会HP
https://www.ironman.com/races/im-south-hokkaido
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指導/宮塚英也(みやづか ひでや)
現役時代、宮古島トライアスロン4勝、第1回ロングディスタンス日本選手権優勝など数々の実績を挙げ15年以上トップを走り続けてきたレジェンド。特にアイアンマン世界選手権コナ(ハワイ)では計13回出場し、9回の20位以内のリザルトをマーク(うち2度のトップ10入り)。世界でも5本の指に入る金字塔を打ち立てている。
9月14日に行われるアイアンマンジャパンみなみ北海道では、昨年に続き大会スーパーバイザーとしてレースアドバイスなどに携わっている。

>>【チャレンジ企画】アイアンマンジャパンみなみ北海道『レース攻略 6カ月計画』の連載コラム一覧 ※リンク

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