テイラー・ニブ パリ五輪2競技でのデュアルメダリストなるか? / 【TREK・SPEED CONCEPT】TDFに見る最高峰モデルを徹底分析 〜 トライアスリートのためのツール・ド・フランス2024 特集 〜

プロダクト

いよいよパリ五輪が始まった。トライアスロンは7月30日の男子のレース、31日に女子レースが実施されるが、その前にも関係者の注目を集めている競技がある。
7月27日(午後9時30分〜)のロード女子個人タイムトライアル。このレースに、前回東京オリンピック・トライアスロン混合リレー銀メダリストのテイラー・ニブ(アメリカ)がエントリーしているからだ。

今年5月のWTCS横浜大会2位のあと、1週間後に行われたロード個人タイムトライアルの全米選手権で優勝。パリ五輪の切符を得ていたニブ。
実は彼女は昨年の全米選手権・個人TTにも出場して4位を獲得している。
そのときトップだったクロエ・ダイガードからは35秒遅れ(距離23.2km)。ダイガードは、その後9月に行われたロード個人TT世界選手権で優勝しており、その物差しで計ると、ポテンシャルはロード界でも十分に一線で立ち回れるものといえるだろう。

さらには当時(2023年)、彼女はツール・ド・フランスにも出場する世界トップのサイクリングチーム『LIDL TREK(リドル・トレック)』と契約しており、バイクのファクトリー・サポートを受けるようにもなっていた。

当初、パリ五輪に向けてはニブは(トライアスロンとの)過密日程から個人TTの出場は考えていなかった。
しかし彼女の今年からのコーチ、ダン・ローラン(プロサイクリングチームのボーラ・ハンスグローエのチーム・コーチであり、ヤーン・フロデーノなど数々のトップトライアスリートたちも指導)と相談した結果「両立は可能」、むしろ(TTの出場が)トライアスロンにプラスに働く可能性もあるという結論に至り、エントリーを決めたという。

ただ、そのあとパリ現地に入ってからのコンディションなどにより、予定が変わる可能性はあるだろう。
いずれにせよ彼女が出場した場合、愛車となる SPEED CONCEPT でどのようなパオーマンスを見せてくれるのか。今から大いに楽しみだ。

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ツール・ド・フランス出場のトップチームが投入】
TREK / SPEED CONCEPT

《ツール・ド・フランスで利用するチーム》
 リドル・トレック(アメリカ)

昨年、レイラー・ニブも所属していたリドル・トレックは、チームスポンサーの名のとおりバイクにトレックを採用。今年のツール・ド・フランスで2ステージ実施された個人タイムトライアルでは、当然のことながらSPEED CONCEPTが投入されている。

このSPEED CONCEPT のプロトタイプはもう3年前にグランツールで登場しており、完成の域に達した観はあるだろう。
ツールでは2022年、デンマーク・コペンハーゲンで開幕した第1ステージ(個人TT)のウィニング・バイクでもある。

当時、直線基調のフレームデザインが多かったトライアスロン&TTバイクの中にあって、それを踏襲するかのような前三角のフレーム形状。そして、シートステーのシートチューブ側の溶接部から後部にかけて鋭角的に折れ曲がった形状も、当時の先端を行く機能デザインとして取り入れられていた。

使用するタイヤはリドル・トレックチームの定番となるピレリ。タイヤも幅広の傾向にあるが、果たしてテイラー・ニブはどのようなチョイスをするのだろうか。

ちなみに、リドル・トレックの今年のチームカラーは写真下なのだが、TTバイクはオーソドックな既存ペイントとなっている。
今回、テイラー・ニブがパリ五輪個人TTへ出場した場合に投入する SPEED CONCEPT は、プロジェクト・ワン仕様のスペシャルペイントモデルなのか? 興味は尽きないところだ。

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>> 特集/トライアスリートのためのツール・ド・フランス リポート

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