アイアンマン世界選手権(ハワイ島コナ)3度優勝。ハワイのレコードホルダー(2019年)でもあったヤーン・フロデーノ(ドイツ)が、満を持して今シーズンのレーススケジュールを発表した。
昨年はアキレス腱のケガにより5月のアイアンマン世界選手権(アメリカ・ユタ州セントジョージ)をキャンセル。7月にドイツ・ロスのチャンレジレースで復帰を果たすも、故障を再発させてランスタート後にリタイアしており、その後、再復活を目指すもバイクトレーニング中に事故に遭うという不遇の2022シーズンを過ごしていた。(※写真をタップするとフル画像で見られます)
『ラストイヤー』と昨年から公言していたフロデーノ。今回のスケジュール・アナウンスでは “完全なプロとして”、と若干の含みをもたせた内容になっているが、2023年はアイアンマン、そしてPTO(Professional Triathletes Organization)レースを含めた下記5レースを予定している。
・4月1日/アイアンマン70.3オーシャンサイド(アメリカ) ・5月6日/PTOヨーロピアン・オープン(ミドル) ・6月4日/アイアンマン・ハンブルク(ドイツ) ・8月6日/PTO・USオープン(ミルウォーキー) ・9月10日/アイアンマン世界選手権(フランス・ニース)
特に注目を集めそうなのがニースのアイアンマンだろう。今年、世界選手権・男女交互開催のレースとして新たに誕生した9月のコート・ダジュールの舞台に、フロデーノは早々と参戦表明したひとりとなった。
「ついに今年のレーススケジュールを発表できてすごく興奮しているよ。ハンブルクは自分にとってITUレース(51.5km)時代から馴染み深い場所、そして想い入れのあるカリフォルニア、さらにはタフなバイクコースで非常に大きなチャレンジになるニース。フルシーズン、そしてこれまで進化してきたレースの舞台で戦うことを楽しみにしている」
並々ならぬ想いで42歳のシーズンを迎える彼のパフォーマンスに注目しよう。
ロング・シーズン前半のハイライトとなるドイツのチャレンジレース
一方、2023年のロングディスタンス・シーズン前半で間違いなく注目を集めるのが、6月25日にドイツで行われるチャンレンジ・ロスだ。
昨年に開催20年の節目を迎え、新たな歴史を刻む今レースのプロフィールドには、これまで培ってきたスカウティング力も発揮させ目を見張るラインアップを発表。
レース単体としては、男女分割開催となったアイアンマン世界選手権に替わり、ロングの世界最高峰イベントといっても過言ではない内容として実施される。とにかく主要出場者リストを見てほしい。
【女子エントリー】
・アンネ・ハウク(ドイツ/2022チャレンジ・ロス優勝、2019アイアンマン世界選手権優勝)
・ダニエラ・リフ(スイス/アイアンマン世界選手権5勝)
・チェルシー・ソダーロ(アメリカ/2022アイアンマン世界選手権優勝)
・ローラ・フィリップ(ドイツ/アイアンマン女子レコードタイム保持者)
【男子エントリー】
・サム・レイドロー(フランス/2022アイアンマン世界選手権2位、PTO世界ランク4位)
・パトリック・ランゲ(アイアンマン世界選手権2勝、2022チャレンジ・ロス2位)
・マグナス・ディトレフ(デンマーク/2022チャレンジ・ロス優勝、PTO世界ランク3位)
・セバスチャン・キーンレ(ドイツ/2014年アイアンマン世界選手権優勝)
以上はそのビッグネームたちの一部。
2月上旬のプロフィールド・リストのアナウンス後、各国のトライアスロンメディアがざわついたのもうなずける。
いずれにせよ世界のロング・トライアスロンシーン前半は6月のドイツが話題の中心となり進んでいくはずだ。
>> チャレンジ・ロス大会のホームページ ※リンク
ロス大会のハイライトのひとつ、ツール・ド・フランスの山岳ステージを彷彿とさせるソーラー・ベルク(丘)。今年はこの名物坂道に、歴代最多の観客が押し寄せることになるだろう ©Challenge Roth 2022/Lars Pamler