この週末、カナダ・エドモントンでの7月23日と24日(日本時間は24、25日の未明)に、トライアスロン界にまた新たな歴史を刻むレースが誕生する。
“ PTOカナディアン・オープン ”
大会名だけだとイメージしにくいかも知れないが、これはイギリスに拠点を置くトライアスロン機関のPTO(Professional Triathletes Organization)が今年、シリーズのトライアスロン大会として立ち上げた『PTOツアー』の初戦となる。
昨年のコリンズ・カップで男子トップフィニッシュしたグスタフ・イデン
このシリーズ戦の発端となったのが、昨年8月にスロバキアで初開催された『コリンズ・カップ』だ。
PTOはノンドラフティングレースに出場するプロ・トライアスリートのランキング化事業を行っており、それをベースに選抜された男女36人のトップトライアスリートが、総額1億7,000万円という破格の賞金が賭けられたこのコリンズカップに出場。大きな注目を集めていた。
そして今年、PTOはコリンズ・カップを中心にカナダ・エドモントン、アメリカ・ダラスで “PTOオープン” として新規大会を実施。さらに、2023年にはヨーロッパ・オープン、アジア・オープンも予定。今後シリーズ展開していくという。
PTOカナディアン・オープンの大会週には、ツアー・プロモーションの撮影リクエストも受けたブルンメンフェルトたち
<2022シーズン・PTOツアー大会予定>
・7月23〜24日 PTOカナディアン・オープン(カナダ・エドモントン)
・8月20〜21日 コリンズ・カップ(スロバキア・ブラチスラヴァ)
・9月17〜18日 PTO・USオープン(アメリカ・ダラス)
今回の PTOカナディアン・オープンの距離は、昨年、初回開催となったコリンズ・カップ(スイム2km、バイク80km、ラン18km)と同じミドルディスタンス。
これが、PTOツアーのレースフォーマットとなりそうだ。
注目すべきはその賞金だ。今年のカナダ、アメリカの各レースごとの総額が100万ドル(約1億3,500万円 ✕ 2レース)、さらにコリンズ・カップは引き続き150万ドルと発表されており、合計するとなんと4億円超。これだけでも、プロアスリートとしては必然的に注目すべきシリーズとなるだろう。
そんな中、今週開催される “PTOカナディアン・オープン” に出場する選手も注目度が高い。
男子は、クリスティアン・ブルンメンフェルトとグスタフ・イデンの最強デュオともいえるノルウェー勢。そして、5月のアイアンマン世界選手権(セントジョージ)2位のライオネル・サンダースなど(写真上)。
一方の女子は先月のアイアンマン・ヨーロピアンチャンピオンシップ(ハンブルク)で、8時間18分20秒という “アイアンマン” の女子のレコードタイムをマークしたローラ・フィリップ(ドイツ/写真下)など、豪華なラインアップが顔をそろえている。
そして、これら選手たちは、この1カ月後に行われるコリンズ・カップにも出場してくるだろう。なぜなら、このツアーレースの距離フォーマットはいわゆるミドルディスタンス。レース後の消耗度はさほど大きくはなく連戦もきくはず。
そして、何よりも掲げられた賞金総額が超破格なのだから。
それゆえ今後、さらにロング、ショートそれぞれを主戦場にしている選手たちが、数多くこのPTOツアーにチャレンジしてくることが予測される。
また8月のコリンズ・カップ同様、PTOカナディアン・オープンは一般のエイジレースも開催される。さらにはトライアスロンだけでなく、オープンウォータースイミングのレースなどもラインアップ。新しいスタイルのスポーツ・コンプレックスイベントといえるだろう。
男女プロ選手のレースの模様はスマートフォン、PCでライブ視聴が可能。専用アプリをダウンロードしてアカウント登録が必要となる(無料)。詳細は下記大会HPでご確認を。
>> PTOカナディアン・オープンのホームページ
<女子プロ> 7月24日 午前1時45分スタート
<男子プロ> 7月25日 午前3時45分スタート ※いずれも日本時間