フェルトの新型トライアスロンバイク 2022年の注目モデルをチェック

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今シーズンも終盤。2022年シーズンの足音が聞こえてくる中、新型トライアスロンバイクのリリースも間近に迫ってきている。本来なら10月のアイアンマン世界選手権(ハワイ)の前後にあわせて正式に発表されることが通年なのだろうが、同レースの延期にともないそのタイミングもバイクメーカーによっては押し気味のようだ。
しかしながら各メーカーからサポートを受けるトップアスリートの中には、すでに2022モデルでレースを戦っている選手も多い。ここでは来シーズンの目玉のひとつとなるであろうフェルトの新型モデルをピックアップする。

まず何といっても目につくのはその個性的なフレームデザイン。スペシャライズド/S-WORKS Shiv やキャニオン/スピードマックスに代表されるように、トップチューブがフラットで全体的にシャープなフォルムが主流となりつつあるトライスロンバイクの中にあって、それに逆行するような大幅に湾曲したトップチューブや、トライアングルフレームでは過去に例がないほどのボリューミーなフロント&リアまわりなど独創的なフォルムを見せる。
写真は8月末にスロバキア・シャモリンで行われたコリンズ・カップでダニエラ・リフ(スイス/写真下)が使用したバイクだが、同じトランジションにセットされたバイクの中でも異彩を放っていた。

現行のフェルトのトライスロンバイク「IA」もボリュームのあるダウンチューブとシートチューブが特徴のひとつだったが、新型はまったくの別物といえる。ちなみに IA とは「Integrated(統合) Aero」の略とのことだが、次世代のトライアスロンバイクを創出するにあたり、フェルトが熟考し生み出したカタチがこのエアロシェイプ・デザインということなのだろう。

気になる空気抵抗値などのスペックはメーカー発表を待ちたいが、外見から判別できるのはまず大型のフューエルシステムをトップチューブ前方に装備している点。容量を確保しながらもフレーム形状と一体化させたデザインは先代コンセプトとなる “Integrated” を踏襲したものととれるだろう。シートチューブのリアタイヤ部分の処理も、これ以上ないくらいギリギリの幅に沿って成形され、後輪回転による空気の巻き込み軽減を狙っている。

フェルトといえばロングディスタンスの最高峰、ハワイ(アイアンマン世界選手権)でみると2013年から2018年まで6年連続で女子優勝バイクに輝いているブランド。過去には1980年後半から90年代に活躍し、ハワイ女子で8勝を挙げているレジェンド、ポーラ・ニュービー – フレイザー(写真下)が駆っていたという歴史もあり、ロングディスタンスを中心に注目を集めるモデルとなるだろう。
今回の先鋭的ともいえるブランニュー・バイクが市場にどう受け入れられるのか。大いに興味が湧くところだ。

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