ヨナス・ヴィンゲゴーとタデイ・ポガチャル。第20ステージの個人タイムトライアルを前にして、その差は総合で3分26秒だ。レースに絶対はないわけで、本日それぞれのチームが決戦使用するバイクに、究極の仕上げを施してくるだろう。
【コルナゴ・TT1】
タデイ・ポガチャル(UAE チーム・エミレーツ)が投入してくるバイクは、コルナゴのブランニュー・タイムトライアルバイク『TT1』だ。(写真はポガチャルのバイクではない)
コルナゴのTTバイクとして初めてディスクブレーキを搭載。カーボンモノコックのフレームはさらに進化し、軽量化に貢献している。
特徴的なリアエンド部分は直線的にデザインされ、その形状から整流性と衝撃吸収性を高めていることが想像できるだろう(写真下)。
もはやツールのTTの定番になっている3Dカスタムデザインのアタッチメント
一昨年、同じく第20ステージのタイムトライアルで奇跡の逆転劇を演じ、そのままシャンゼリゼに凱旋したポガチャル。
「相手の結果はわからない。自分はとにかく集中してベストのタイムをマークするだけ」という彼と、TT1の走りに注目しよう。
【サーヴェロ・P5 ディスク】
昨年個人総合2位に入ったヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)が、今日の個人TTで彼本来の強さを発揮できれば、ツールの頂点に立つ瞬間がいよいよ近づいてくるのは間違いない。
チームが採用しているバイクメーカーは昨年からサーヴェロに。もちろん個人TTには P5ディスクが登場する。
すでに完成の域に達しているといえるスペシャルマシンは、ユンボ・ヴィスマならではアッセンブルで、さらなる速さを追求している。
その象徴といえるが、リザーブ社製のエアロディープリム&ディスクホイールだ(写真上)。同チームはシマノの機材サポートを受けているが、時と場合によっては、他社のスペシャル・パーツを取り入れてくることは、ツールではよくあること。
このトライアスリートにもお馴染みのバイクが、どのような成績を残すのか? 見届けてみよう。