アイアンマン 70.3オーガスタ&ニューヨーク、そしてメリーランドとチャタヌーガ / アイアンマンのフォーカスはアメリカへ

IRONMAN

9月23・24日に北米を中心に70.3大会を含め多くのアイアンマンが開催された。
フランス・ニースでの世界選手権 が行われたあと、アイアンマン・シーンの注目はアメリカへ。10月14日にはハワイでいよいよアイアンマン世界選手権Women が行われる。そのカウントダウン・レースともいえるシリーズ戦を中心に、大会結果&情報をダイジェストでお届けする。(写真をタップするとフルサイズで見られます)

【アイアンマン70.3 オーガスタ/写真下(9月24日開催)

ジョージア州で実施された70.3大会は、ゴルフのメジャー選手権のひとつ、マスターズ・トーナメントが行われることで知られているオーガスタが舞台。28カ国から1,800 人を超える参加者が、街の中心を流れるサバンナ川からスイムスタートした。

1.2マイルのスイムのあとはダウンタウンエリアから出発するバイク。続くランと、歴史あるオーガスタの街並みをアスリートたちが飾る中、女子プロを制したのはカナダのポーラ・フィンドレーだった(写真下)。

8月5日にPTO・USオープン、そして8月10日にスコットランド・グラスゴーで行われたUCI世界選手権大会・女子エリート個人タイムトライアルにカナダチャンピオンとして出場。
続く8月26日の アイアンマン70.3世界選手権(フィンランド)を経ての載冠は、そのタレント性を存分に示したものだった。

男子プロはドイツのミカ・ノードが優勝(写真下/中央)。2021年からミドル、ショートの世界クラスのレースで実績を挙げ、将来を嘱望されていたものの、その後、股関節まわりの故障により長期離脱を余儀なくされていた。

そして、2022年10月の アイアンマン70.3世界選手権(アメリカ・ユタ州セントジョージ)で4位に入り復活を遂げ、今シーズンでのメジャー勝利を獲得。レースではジャクソン・ランドリー(左)、ライオネル・サンダース(右/ともにカナダ)のトップランカーに先着し、完全復調をアピールしている。

男女両名の優勝者はこれまでミドルディスタンスで結果を残してきているが、来シーズンはフルディスタンスでもそのパフォーマンスが見られるか。注目しておこう。

<女子上位リザルト>
1位 Paula Findlay (CAN) 4:05:32
2位 Tamara Jewett (CAN) 4:06:53
3位 Jackie Hering (USA) 4:14:24
<男子上位リザルト>
1位 Mika Noodt (DEU) 3:37:14
2位 Jackson Laundry (CAN) 3:39:39
3位 Lionel Sanders (CAN) 3:41:23

【アイアンマン・メリーランド(9月16日開催)
アメリカ東海岸、イースタン湾を挟みワシントンD.C.の対岸に位置するケンブリッジを舞台に行われたフルディスタンスのアイアンマン。

プロ、エイジともに来年の世界選手権のスロットが充てがわれており、すでに2024年9月22日のフランス・ニース(女子)、10月26日のハワイ島カイルア・コナ(男子)へのレースも開幕しているというわけだ。

参加者は1,000人強。スイムコースとなるチョップタンク川の水質状況を理由に、スイム距離が0.57マイル(918m)に短縮されたレースの女子プロを制したのはアリス・アルバーツ(写真上)。
今年6月に行われたアイアンマン・レークプラシッド(アメリカ)にも勝利しており、来月のアイアンマン・ハワイの出場権を獲得しているアメリカンだ。

アイアンマン史上初めて、ふたりの女性MCがフィニッシュラインでレース・アナウンスを実施。マリン・アクティビティでも人気の海岸沿いにあるロング・ワーフ・パークの会場を盛り上げたという。

男子プロ優勝はミハエル・ワイス(オーストリア)。
バックボーンにマウンテンバイク(アテネ五輪出場)、エクステラなどのオフロード・レースを有し、過去20回のアイアンマン出場で15回の表彰台を獲得。ハワイ最高10位(2018年)の実績があるベテランは、2024年のさらなる飛躍を狙っている。

このアイアンマン・メリーランドは大会のあと、地元行政組織と今後5年の開催契約を結んだことも発表されている。

<女子上位リザルト>
1位 Alice Alberts (USA) 7:56:40
2位 Melanie McQuaid (CAN) 8:07:54
3位 Chloe Lane (AUS) 8:12:04
<男子上位リルト>
1位 Michael Weiss (AUT) 6:59:47
2位 Jason Pohl (CAN) 7:03:37
3位 Sam Long (USA) 7:05:07

【アイアンマン70.3ニューヨーク(9月23日開催)
今年、アイアンマン・グループが北米アイアンマン70.3レースの新規目玉イベントと位置づけていたニューヨーク大会。マンハッタン島から東に50km、観光地としても有名なジョーンズ・ビーチをメイン会場に実施された。

2,300人のエイジが参加(プロカテゴリーはなし)した第1回レースは、当日の気象条件により750mに短縮となったスイムに始まり、クローズドのバイクコース、そして遊歩道を利用したランコースを経てビーチでフィニッシュ。
来年(2024年)は9月28日に実施されるとのことだ。

【アイアンマン・チャタヌーガ(9月24日開催)
2023年アイアンマン北米シリーズの折返しとなるチャタヌーガ大会。テネシー州チャタヌーガに21カ国から1,500 人のアスリートが集まり実施された。

こちらもプロカテゴリーはなくエイジをメインに開催。
このあと、アイアンマン北米シリーズ は10月22日にカリフォルニア、11月4日にフロリダ、そして11月19日のアリゾナ大会へと続いていく。

その一方で来月にはいよいよハワイで アイアンマン世界選手権の女子レース が開催。9月のニースに続き、アイアンマンの歴史が動く10月を迎えることとなる。


関連記事一覧

おすすめ記事

過去の記事ランキング

  1. 1

    国内大会からまたハワイへの道が開かれる日が!2023年日本でアイアンマン開催実現に期待しよう!

  2. 2

    アイアンマン ジャパン みなみ北海道。2024年9月15日(日)開催を目指し実行委員会が立ち上がる / 日本にフルディスタンスのアイアンマンが帰ってくる!

  3. 3

    ブルンメンフェルトの強さ&速さの秘密とは?【前篇】/宮塚英也のトライアスロン“EYE” 〜トライアスロン・トレーニングの鉄則〜

  4. 4

    クリスティアン・ブルンメンフェルト アイアンマン・7時間21分12秒の衝撃 / 世界記録を更新

  5. 5

    2023年のアイアンマン・ハワイも2日開催に。シリーズ全17大会で女性スロットを拡充

  6. 6

    最速TTバイク/五輪を制した “サーヴェロ・P5” を検証する

  7. 7

    フェルトの新型トライアスロンバイク 2022年の注目モデルをチェック

  8. 8

    トライアスリートのためのツール・ド・フランス特集2020 速攻TTバイクリポート

  9. 9

    アイアンマン ジャパン みなみ北海道 の2024年9月15日開催が正式にアナウンス / エントリーは12月19日の午前9時よりスタート!

  10. 10

    アイアンマン70.3東三河ジャパン in 渥美半島 が6月10日(土)に開催!/ 世界選手権への道(フィンランド・ラハティ)も日本から!

おすすめ記事 過去の記事
  1. ツール・ド・フランス2021特集 注目の新興TTバイク② ファクター/SLICK

  2. アイアンマン世界選手権ニース 写真集 / Galerie de ONOGUCHI 〜ギャレ・ドゥ・オノグチ〜

  3. 【動画リポート】アイアンマン70.3 東三河ジャパン in 渥美半島 <レースダイジェスト>

  4. チェルシー・ソダーロ / トライスリート、母親、そしてフロントランナーとして。

  5. ブルンメンフェルトの強さ&速さの秘密とは?【後編】/宮塚英也のトライアスロン“EYE”  〜クリスティアンのトレーニグ改革〜

  6. PTOとワールドトライアスロンが提携してロングディスタンス世界選手権ツアーを来年開催

  7. 2024年アイアンマン世界選手権ニース(女子レース)の出場枠獲得の新たなフロー & シリーズ全大会の男女スロット内訳を公表

  8. 【IMニース世界選手権・特集】 IRONMAN Village・大会エキスポ探索 ① 〜アイアンマン・グッズ編〜

  9. アイアンマン70.3世界選手権がフィンランド・ラハティで開催 / 8月26日 13:30 からプロ女子、27日 13:30からプロ男子がスタート(日本時間)

  10. ブルンメンフェルト『ついに闘う日が来た』。フロデーノ『鳥肌が立つね』 。世紀の一戦がスペイン・イビザ島で開催 / PTOヨーロピアン・オープン

  1. トライアスリートのためのツール・ド・フランス特集2020 エアロロードという選択肢

  2. ツール・ド・フランス2021に見る東京五輪を走るバイク① 〜バンサン・ルイ編〜

  3. ツール・ド・フランス 2021に見る東京五輪を走るバイク③ 〜アレックス・イー編〜

  4. 躍進するシマノ。今年のツール・ド・フランスにも注目

  5. トライアスリートのためのツール・ド・フランス特集2020 ブレーキシステムのトレンドを追う

  6. コリンズ・カップはトライアスロンの新たな歴史を刻んだか?

  7. 賞金総額1億3,500万円! PTOカナディアン・オープンがいよいよ開催

  8. ツール・ド・フランス2021に見る東京五輪を走るバイク② 〜ドリアン・コニン編〜

  9. グスタフ・イデンとアシュリー・ジェントルがツアー開幕戦を勝利 / PTOカナディアン・オープンが開催

  10. 2023年のアイアンマン・ハワイも2日開催に。シリーズ全17大会で女性スロットを拡充

TOP