アメリカの2023アイアンマン・シーズンがキックオフ。4月1日にアイアンマン70.3オーシャンサイド大会が開催される。
レースの舞台はカリフォルニア。ここからアメリカのトライアスロン前線は北上していくことになる。同イベントには36カ国、そしてアメリカ国内49の州から合計3,500 人のアスリートがエントリーしている。
ランは大会名が表すような、海岸沿いの壮観なエリアを中心としたコースを走る
そんな中、注目を集めているのはやはりプロカテゴリーに出場する選手たち。アメリカの本格シーズン開幕レースということもあり例年トップ選手が名を連ねるのだが、今回は男女とも2023年のアイアンマン・シリーズ、そしてロングディスタンスの中心の一角を担うであろうビッグネームたちがラインアップしている。
まず男子はなんといってもヤーン・フロデーノ(ドイツ/写真上)だ。
2022年はアキレス腱のケガなどに悩まされ僅か1レース(チャレンジ・ロス/ドイツ)の出場に終わったが(結果はランでリタイヤ)、「プロとして臨む最後のシーズン」と位置づける今年の初戦に意気込みは高まっているはず。
“ GOAT(史上最高の)” と評されてきたフロデノの完全復活が見られるのか注目しよう。
そのほか、2022年アイアンマン70.3世界選手権(セントジョージ)でクリスティアン・ブルメンフェルトとデッドヒートを繰り広げ2位を獲得したベン・カヌート(アメリカ/写真上・右)、PTO世界ランキング 6位のサム・ロング(アメリカ)、そして ディフェンディング・チャンピオンのジャクソン・ランドリー など。
ミドルディスタンスを得意とするサム・ロング
昨年のプロ男子レースで優勝したジャクソン・ランドリー
そんな中、エントリーリストにフランスのレオ・ベルジェールの名が記されている点にも注目したい(写真下)。
昨年11月にUAE・アブダビで実施されたワールドトライアスロン・チャンピオンシップ大会(WTCSファイナル)の男子エリートで優勝し、シリーズランキング1位に輝いたスピードスター。その1週間後に予定していたミドルディスタンスのレースはコンディション不良によりキャンセルしていたが、それ以来のミドルのエントリーとなる。
今年もすでに、3月3日のWTCSアブダビ大会に出場(6位)。その一方で、70.3オーシャンサイド大会も今シーズンの大きなターゲットのひとつと位置づけているようで、出場すればライバルたちにとって危険な存在となるだろう。
バイクコースは南カリフォルニアの光景を楽しんだあと、内陸部へと進んでいく
“世界チャンピオン” ソダーロが登場
女子の注目はなんといっても チェルシー・ソダーロ だ。昨年10月の アイアンマン世界選手権(ハワイ)を優勝してから初のレースとなる今回は、チーム体制や使用バイク、シューズなど一新された環境での参戦となる。
世界チャンピオンとして今まで以上に注目される中、どのようなパフォーマンスの進化を披露するのか。この後、彼女はシーズン前半の最大ターゲットとして6月の チャレンジ・ロス 出場を予定しており、その大きな弾みとしたいところだろう。
ほか男子同様、数多いるトッププロ出場リストの中でフォーカスしたいのがカット・マシューズ(イギリス/写真下)だ。
プロ活動3年目にして、昨年5月にアメリカ・ユタ州セントジョージで行われた アイアンマン世界選手権 で2位を獲得。しかし同年10月のアイアンマン・ハワイでさらなる飛躍を目指すも、レース直前にバイクトレーニング中の事故で大ケガを負うという不運に見舞われていた。
2022年ハワイのレース当日は、首にコルセットを巻いた痛々しい姿ながらも、同僚たちへ熱心にエールを贈っていたマシューズ。理学療法士としてイギリス軍隊に所属していたというキャリアをもつ彼女は、リハビリなど並々ならぬ情熱を注いでハンデを克服し、シーズンに戻る準備を進めてきた。
彼女がオーシャンサイド大会で復帰したならば、いかなる結果であったとしても、その姿がまわりに大きな勇気を与えることは間違いない。
そんな注目レースのスタート時刻は、日本時間4月1日(土)の午後10時40分(現地時刻・午前6時40分)。レースの模様はアメリカ動画サイト Outside TV でライブ配信される。
【ライブ放映】 “Outside TV” でアカウント登録して視聴が可能(日本時間4月1日/22時00分より配信開始予定)
>> 70.3オーシャンサイド大会のスタートリスト ※リンク