アイアンマン・ドイツの男子のレースを制したニルソン(中央)と2位のウーゲンハーグ(デンマーク/左)、3位のマクナミー(ドイツ/右)
活況を取り戻しつつある欧州アイアンマンと、コロナウィルス再拡大の影響によるアメリカでの70.3世界選手権のスケジュールの変更ーー。国やエリアによってはトライアスリートの海外渡航制約が続く中、10月のハワイにも少なからずの影響が予測されるが、世界のアイアンマン・シーズンの後半はどのように進んでいくのだろうか。
先週末、フィンランドとドイツで開催されたフルディスタンスのレースで、2021年の男女のアイアンマン欧州チャンピオンが決定した。女子は8月14日(土)にフィンランド北部に位置するクオピオ郡ターコで、男子は翌15日(日)にドイツ・フランクフルトで行われたアイアンマンの勝者にその称号が贈られている。
今年第1回大会として開催されたアイアンマン・フィンランドはドイツのローラ・フィリップ(写真下)が8時間38分29秒をマークしてプロカテゴリーで優勝。エイジでは約1,000人のトライアスリートが参加し、「レースのある日常」を印象づけた。
【女子上位】
1位 / Laura Philipp(GER) 8:38:29
2位 / Juuso Manninen(FIN) 8:42:39
3位 / Jocelyn Mccauley(USA) 8:59:26
翌日のフランクフルトではクオピオ-ターコを上回る1,500人超の選手が参加。
「ついに、フランクフルトでアイアンマンが再び開催されました。厳格な衛生プロトコルの下、安全にレースを開催するため数カ月にわたって精力的に準備してきたイベントチーム全体を誇りに思います。フィニッシュラインでまた『YOU ARE AN IRONMAN!』というアナウンスを聞けることは素晴らしいことです」と主催者。その男子プロカテゴリーはスウエーデンのパトリック・ニルソン(タイトル写真の表彰台中央)が制している。
【男子上位】
1位 / Patrik Nilsson(SWE) 7:59:21
2位 / Kristian Hogenhaug(DNK) 8:00:18
3位 / David McNamee(GBR) 8:02:29
フィンランド初のフルディスタンスのアイアンマンはターコの自然豊かな舞台で開催された
このようにヨーロッパで選手権レースも再開されている一方で、今年9月にアメリカのユタ州セントジョージで行われるアイアンマン70.3世界選手権は、当初予定していた2日間開催から9月18日(土)のみの実施となった。これは、いまだ世界的な終息の見通しが立たないコロナウィルス感染の影響により、出場資格をもった各国選手の海外渡航が困難な状況を考慮しての変更となる。2019年大会では、2日間で男女5,700人を超える参加者を数えたが、今年はその半分を下回るのではないかと大会関係者は予測しているという。
さらにアイアンマン主催者は2022年のアイアンマン70.3世界選手権を、当初予定のニュージランド・タウポから変更し、今年と同じ(つまり2年連続で)ユタ州セントジョージで行うと発表。再び先が見えにくくなったコロナ禍にあって、中期的なスパンでのスケジュールを再考した上での判断といえる。
これらからも分かるように、単一の国内、あるいはエリアをメイン対象としたトライアスロン大会は着実に再開されてきているが、一部のプロ選手だけではなくエイジも対象としたワールドワイドな、世界規模となるレースには未だ障壁が立ちふさがっているのが現状だ。そういう意味でもこれから発表されるであろう、10月のアイアンマン・ハワイのガイドラインに注目が集まっているといえる。
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