写真は今年6月、今回の世界選手権・男子と同じ舞台となるニースで行われたアイアンマン・フランス優勝のクレメン・ミニョン(フランス)
来週末9月10日にフランス・ニースで開催されるアイアンマン世界選手権Men。欧州で初めて行われるアイアンマン最高峰の大会は今年は男子レース、続く10月にハワイ島コナで女子レースが実施されるのは周知のとおり。
フランスはコート・ダジュールの地に2,000人を超える男子アスリートが集結し、歴史の1ページを刻むわけだが、そのプロカテゴリー出場者リストが発表された。
注目はなんといってもドイツのヤーン・フロデーノ(写真上)だ。
これまでアイアンマン世界選手権3勝、アイアンマン70.3世界選手権で2勝を挙げている北京オリンピック金メダリスト。最も完成されたトライアスリート、“ GOAT(史上最高の)” と評されてきた彼だが、2022年はアキレス腱のケガなどの影響でわずか1レース(チャレンジ・ロート/ドイツ)の出場に終わっている(結果はランでリタイヤ)。
さらには、その後バイクトレーニング中に事故に遭うという不遇のシーズンを過ごしていた。(※写真をタップするとフルサイズで見られます)
42歳を迎える2023年は自身のプロキャリア最後の年と以前から明言。シーズン前半から本来の調子を取り戻し、8月4日にアメリカで行われた PTO・USオープン(S2km/B80km/R18km)で優勝。完全復活を遂げ、満を持して4年ぶりのアイアンマン世界選手権参戦となる。
大会当日はもちろん、レースウィーク中もヤーン・フロデーノ(BIBナンバー 1)が話題の中心になることは間違いない。
以下、注目選手をダイジェストで紹介しよう。
● サム・レイドロー(フランス/BIBナンバー 3)
2022年アイアンマン世界選手権(ハワイ)2位で、ハワイのバイクコース・現レコードホルダー。同じくバイクコースが勝負の大きなカギを握るニース大会において、注目を集める選手のひとりとなる。
2023シーズンは出場5レース中、2レースをリタイアしており本調子ではないようだが、一方でチャレンジ・レース2大会にエントリー(ミドル)して連勝。自国開催の世界選手権でフランス人初のアイアンマン世界チャンピオンの称号を虎視眈々と狙っている。
● マグナス・ディトレフ(デンマーク/BIBナンバー 7)
今年、ロング大注目株の25歳。一昨年から頭角を表し昨年のハワイでは、バイク途中で一度トップに立つも最終的には8位に。しかし今年の チャレンジ・ロート で7時間24分40秒という、ヤーン・フロデーノを上回るレコードタイムをマークして2連覇を達成。バイクラップ(180km)は3時間57分45秒というパフォーマンスを披露した。
現在のPTOランキングはクリスティアン・ブルンメンフェルト次ぐ2位。8月に入り一旦調子を落としたが、ヨーロッパ開催のワールド・チャンピオンシップに向け巻き返しの準備は万端のようだ。
● デニス・シボレー(フランス/BIBナンバー 10)
2年連続のアイアンマン欧州選手権チャンピオン(2022年ドイツ・フランクフルト、2023年ドイツ・ハンブルク)。アイアンマン通算9勝を挙げているベテランのマネージメント力が、タフなコースにフィットすれば表彰台は十分ありえる。
● クレメン・ミニョン(フランス/BIBナンバー 8)
毎年6月に同じ舞台、ニースで行われているアイアンマン・フランスの2023年プロ・男子チャンピオン。
24歳のライジング・フレンチは、9月の本番とほぼ同じとなるバイクコースをラップ2位で走破しており、ペース配分など不安なくレースに臨める点がアドバンテージか。
今年5月、スペイン・イビザ島で行われたワールドトライアスロン・ロングディスタンス世界選手権のタイトルも併せ持っている。
● パトリック・ランゲ(ドイツ/BIBナンバー 2)
ヤーン・フロデーノ、セバスチャン・キーンレとともに第3次アイアンマン・ドイツ強国の一角として活躍し、2017・2018年とアイアンマン・ハワイを連覇。先の両名が今年で引退するシーズンに健在を示すか。
今年6月のチャレンジ・ロートでは、マグナス・ディトレフに次ぐタイム(7時間30分04秒)で2位に。ランラップ(42.2km)は 2時間30分27秒という圧巻のタイムをマークしている。
今回のニース世界選手権の特徴として、プロ出場者の多くがヨーロッパの選手で占められているという点が挙げられる。
大会ロケーションも、ハワイと比べて山岳バイクコースを有するなどニースはまったくの別物。来年同地で行われる女子のアイアンマン世界選手権も見越し、9月大会のレースコンディション、そして結果は大きな話題となるだろう。
>> IRONMAN LIVE で当日レースのライブストリーミング視聴が可能 ※リンク
<プロ男子出場者リスト>