今年のツール・ド・フランス(TDF)のグランデパール(Grand Depart)はフランス北西部の半島に位置するブルターニュ地域圏のブレスト。古くから自転車文化が刻み込まれている歴史あるエリアで、6月26日(土)のレース開幕から4ステージでブルターニュにある4県すべてをまたぐコース設定となっている。
そのグランデパールの2日前、6月24日(木)に恒例となるチームプレゼンテーションが実施された。出場する全23チームのライダーが、チームごとにステージで紹介される流れも例年どおり。昨年は新型コロナウィルスの影響で会場入場者を制限し、席をひとつずつ空けるなどいつもと違った光景だったが、今回は6月からのフランス国内の規制緩和もあってか客席も盛況だった。イベントの演出もツール・ド・フランスならでは。今年はステージ上で紹介されたライダーたちがその後、会場外周に設けられた約2.4kmのコースを1周。場内に入れなかったギャラリーたちにも走りを披露していた。
今年は観客の盛況ぶりも例年どおりに戻った
選手たちはステージ上での紹介のあと、会場の外周に設けられたコースをパレードする。その姿を目当てに集まる観客の数もすごい
そんな世界最高峰のサイクルロードレースだけに、注目の選手を挙げれば本当にきりが無いのだが、今回トライアスロン・ライフが注目したいのはツール・ド・フランス初出場となるマチュー・ファンデルプール(オランダ/アルペシン・フェニックス)。これまでシクロクロスで4回世界選手権を制覇し、マウンテンバイクでもヨーロッパ選手権で優勝。そしてロードレースでは多くの欧州クラシックレースのタイトルを獲得しているという異彩を放つライダーだ。彼が満を持してツールに臨むというニュースは、2021年大会の目玉のひとつであり、今年の、特にステージ前半の台風の目になることは間違いないといえる。
ついにツールに登場するマチュー・ファンデルプール。ステージのどこかでマイヨジョーヌを着る姿が見られるかもしれない
大リーグの大谷翔平選手が二刀流ならこちらはこちらは三刀流、というのはいささか強引か。しかし同じ自転車競技ではあるものの、3種目の能力で秀でているという点ではトップトライアスリートにも通じるものがあるといえないだろうか。
そんな枚挙にいとまがないタレントぞろいで繰り広げられる3週間のレースを、今後トライアスリート目線で追っていく予定だ。
一昨年総合2位を獲得し、地元フランスのヒーローとなったジュリアン・アラフィリップ(写真左)。ロードレース世界チャンピオンを示すジャージ(アルカンシェル)が眩しい
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