【アイアンマン・チャレンジ企画】みなみ北海道でアイアンマンに挑戦!『レース攻略 6カ月計画』/ 7月7日〜8月3日(第5クール)トレーニング プログラム

6カ月チャンレジ

《 みなみ北海道大会でアイアンマン挑戦&完走を目指すトレーニング企画を公開中!》
2025年9月14日に行われるアイアンマンジャパンみなみ北海道で初めてアイアンマンに挑戦するトライアスリートなどに向けた、宮塚英也さん指導による大会攻略法&トレーニング・プログラム連載の第5弾(全6回+2週間の調整プログラム)です。
⬇️ アイアンマンジャパンみなみ北海道・大会HP
https://www.ironman.com/races/im-south-hokkaido
 ※エントリー受付中

指導/宮塚英也(アイアンマンジャパンみなみ北海道 大会スーパーバイザー)

〜 レースまであと約2カ月! 〜
【 7月7日(月)〜 8月3日(日)/ 第5クール・プログラムを紹介

アイアンマンジャパンみなみ北海道開催まであと約2カ月。レース完走に向けた6カ月間にわたるトレーニング プログラム企画も終盤に。
これからこのトレーニング連載を参考にしたいという人も必読です。今回も、本番を想定して取り組むべきメニューを動画(下を参照)も交えて紹介する上に、夏場のトレーニング向けて参考にしたいノウハウが凝縮。
日本でもっともアイアンマンを知り尽くしているひとりである宮塚英也さんが作成&提供する、珠玉のプログラムを紹介します。

👇 レースに向けた実戦トレーニング動画の紹介

《遠浅コースのドルフィンスイムの鉄則 ⬇️ 》

遠浅スイムコースで初心者にオススメの『休める』ドルフィンスイムを紹介

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《 9月14日に向けたトレーニング プログラムを 4週間単位で紹介 ~その⑤~ 》

プログラムも第5クールに突入しましたが、今シーズン、各々のレース出場に向けトレーニングを積んでいるアスリートならば、皆が取り組め、そして参考になる内容となっていますので、ぜひ秋の本番に向け活かしてください。(宮塚)

必ずプログラミングすべき2週間の調整期間

まず今コラムの最初で触れておきたいのがレース前の挑戦期間の重要性です。
このことは皆さんも十分理解されていると思いますが、多くの人が短すぎるのが現状といえるでしょう。

だいたいレース前1週間。前週の土日あたりから(トレーニング量を落とすことを)意識し始めて、そのままイージーとなる調整期間に入るというのが、これまで私が指導してきた(プログラム提供する前の)エイジグルーパー皆さんに多いパターンでした。
場合によっては前週末に仕上げの意味で頑張ってロングライドをこなしていた、という方もいます。

調整(テーパー)というのは、頑張って強化トレーニングに取り組んだあと、徐々に練習量を落として疲労を抜き、その後調子を上向きにしていって本番で最高のパフォーマンスを発揮するための作業です。
これが1週間しかない場合、その期間は調子がまだ下がっているタイミングで、疲労がたまった状態でレースに臨まなければならないパターンに陥ってしまいます。
せっかく長い期間トレーニングを積んできたのに、こんな残念なことはないでしょう。

【競技レベル、レース距離を問わない普遍性】
ではどう決めるか? 具体的には2週間の調整期間を設ける必要があります。
最初の1週間で、ロング出場に向けて頑張ってきた身体を効率よく癒やしていく。そうすると、その翌週から体調はドンドンと上がっていき、レース当日、最高のコンディションでスタートラインに立つことができるのです。

目標レースに向けてシッカリとトレーニングを積んできたアスリートならば、トップ選手も完走目的のエイジも同じで、さらには競技距離(ロング、51.5kmなど)も関係ありません。
これも私(宮塚)が選手時代に体験、実践してきた、身体の疲労サイクルをしっかりとマネージメントするためのノウハウで、多くのエイジに実践していただき結果を挙げてきています。
(※私の場合、必要に応じて3週間の調整期間を設けていた場合もありました)

だから、現状はレースまで2カ月半あるかもしれませんが、実際に強化目的でトレーニングできるのはあと8週間。
皆さんはこのことを念頭に置いて、これからのプログラムに取り組んでください。

【みなみ北海道・チャレンジプログラムの秀逸姓】
さらに掘り下げると、今回のチャレンジプログラムは4週間単位でサイクルを組んでおり、その最終週(第4週)はイージー週です。
つまり、第6(最終)クールの8月25〜31日はトレーニング量を落とす期間となり都合、レース前の3週間から疲労回復のサイクルを考慮しつつ、徐々に練習内容をマネージメントしていく流れとなります。

これにより、より確実に(それぞれの競技レベルで)最高のパフォーマンスを発揮することが目指せるのです。(以下、今後のスケジュールを参照)

【9月14日に向けたプログラム紹介(後半)】

・第5クール:7/7(月)〜 8/3(日)
(週平均の合計練習時間めやす:9時間30分/週)

・第6クール:8/4(月)〜 8/31(日)
(週平均の合計練習時間めやす:10時間00分/週)

・調整期間 :9/1(月)〜 9/13(土)

そういう観点からいうと、このラスト3週間はレースに向けて単に練習量を落とせば良いという考えだけではなく、『調整トレーニング』に取り組む期間と表現すべきでしょう。

トレーニングを減らす&休む勇気の必要性

これからの時期、というかもうすでに酷暑が続き、屋外でトレーニングするときの負荷や体力の消耗度は相当なものになっていくと思います。
ときには、予定していたプログラムを100%こなすのには無理が生じる場合もあるでしょう。
そういう場合は「今日は思い切ってトレーニング量を減らす」、あるいは「休む」という判断も必要になってきます。

一番良くないのは、無理に頑張りすぎて疲れを引きずり、翌週のトレーニングが全然こなせなくなるというケース。

このコラムでも何度かアドバイスしてきていますが、トレーニング進捗の状況は、日々ごとの内容で判断するのではなく、『週単位の合計トレーニング時間』で見ていく必要があります。
さらには、ここで提供しているプログラムを100%こなせなくても、70〜80%をクリアできていれば合格点。
本番である程度余裕をもって、アイアンマンの称号を得る場所に到達するレベルにまで仕上げることが可能だということも紹介してきました。

それだけに、週ごとのコディションには十分に注意を払い、特に(トレーニング量が増える)週末、「今日は暑すぎてランニングの疲労度が高すぎるなあ」など、体調の不安を抱えた状況ならば練習量を減らす、あるいは思い切って休む、という自己アレンジはどんどん行ってください。

【絶対に変えてはいけない『プログラム』】
さきほど、その日行う『練習メニュー』は状況によっては変更(調節)して良いと言いましたが、一方で、それを理由に『練習ブログラム』を変更することだけは絶対に避けてください。
たとえば、4週間単位となる各クールの内訳で見れば、第1〜3週を頑張るハード週に、4週目をリカバリーに充てるイージー週に設定している構成のことを指します。

トレーニング・プログラムというのは目標とするレースから逆算して組み立てていくもの、作成されたものです。
「この期間は頑張る」「このタームでは練習量を落とす」など、本番までの行程を大局的にとらえ、マネージメントしていくための指標。いわば理想の目的地へたどり着くための羅針盤です。

たとえば今回紹介の第5クール途中で、2週目の週末メニューを全部こなすと、その翌週に(疲労で)大きな影響が出てしまうと感じたとしましょう。
その場合、土日(7月19日・20日)の練習量を半分くらいにまで落としてもOK。そして翌日の7月21日(月)はオフなのでリカバリーに充て、22日からなんとか設定メニューをこなしていけるようにアジャストしましょう。

さらには、その週末(27日)が酷暑で負荷が高すぎると感じた場合、また2分の1くらいに減らす。そうやって『練習メニュー』は臨機応変に調節して、1週間単位の合計トレーニング時間が設定の7〜8割に達していれば全然OK。仮にそれがクリアできていなくても、特に強化練習期となる第1〜3週の合計時間が合格範囲と遜色なければ心配することは何一つありません。

絶対にやってはいけないのが、「前週、あるいは前々週にやり残したメニューを、イージー(リカバリー)週となる4週目に持ち越す」こと。
これは、まさに『プログラムの変更』となってしまい、極端にいえば、せっかくこれまで積み上げてきたプランが台無しになってしまうので特に注意してください。
以上も踏まえ、皆さんに取り組んでいただく第5クールの全体プログラムと、そのポイントを順に紹介していきましょう。

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《 第5クール・4週間プログラムの具体的解説 》

【 7月7日 〜 7月13日 ※表をタップして拡大

>> 詳しいメニューはこちら ※リンク

前クール(6/9 〜 7/6)から、今回の第5クールのトレーニング合計時間はさらに増加しています。
具体的には週合計の平均時間(イージー週を除く)が第4クールの約8時間から、9時間半へ。2割ほど増えていますが、これは今までトレーニングを順調に進められてきて、さらにレベルアップに取り組める理想的なパターンを前提としています。
ただこれからの季節、酷暑が続き屋外トレーニングの負担が過度になるケースは多々あると思います。
これらが要因となり「プログラムどおりトレーニングに取り組めない」「疲れて前向きになれない日がある」というときもあるでしょう。その場合、決して無理することなく強度や練習量を落としてもかまいません。
目標としては、第5クール提供の全体プログラムに対して7〜8割の時間をクリアすること。これを合格ラインとしてください。その計算だと、第4クールまで(こちらも設定練習量の7〜8割をキープしながらでも)頑張ってこられた方ならば十分クリアできる内容といえるでしょう。

【 7月14日 〜 7月20日 ※表をタップして拡大

>> 詳しいメニューはこちら ※リンク
第1週からさらにトータルの練習時間が増えており、ここは頑張りどころ。
また16日(水)のスイム練習で初めて『E3』強度が登場します。といっても 具体的なメニュー を見てもらえれば分かりますが、2,000m全部を E3強度で泳ぐわけではなくメイン練習のひとつとなる合計800mのみの内容となります。
アイアンマン完走を目的とした全体プログラムの中では、無理をして E3強度に取り組む必要はないのですが、これはある程度実戦をシミュレーションしたメニューとして取り入れています。
実際、スイムのスタート時は(初心者でも)混雑が避けられずにどうしても泳ぎのペースが乱されるケースは良くあること。
そんな時パニックに陥らないよう、ある程度心拍数を上げたトレーニングを、シミュレーション的に導入しているのです。
一方で、ここまで疲労が大きくて、強度を上げるのがおっくうだという人は無理に追い込む必要はありません。自分のペースでメニューをこなして行ってください。
また、これまでのクールと同様、表組みの中でオレンジ枠に記しているトレーニングは、前コラムで紹介している「ローリングコース対策のローラー台トレーニング」や、以前に取り上げた「ヒジ曲げストローク」(過去連載の動画も参照)などの『みなみ北海道大会・対策メニュー』を取り入れているので積極的に活用しましょう。

【 7月21日 〜 7月27日 ※表をタップして拡大

>> 詳しいメニューはこちら ※リンク
前週に続き 強度1.5 のメニューが登場します。
このトレーニングの重要性は 前コラムでの説明 どおり、本番(9月14日)に向けて AT値を上げていく(パフォーマンスアップしていく)ために必要な『中間強度』メニュー。さらには、週末の20kmランや3時間ライドなど、夏真っ只中のチャレンジングな距離にもなります。
しかし、特別に構える必要はありません。E1.5 の強度は60〜70%で体感的にはゆっくり過ぎず、速すぎず、という位置づけ。マイペースでいきましょう。
それでも疲労でハードルが高く感じる場合、距離を半分にするなど微調整してみてください。

【 7月28日 〜 8月3日 ※表をタップして拡大

>> 詳しいメニューはこちら ※リンク
この週は、今までのクールと同様リカバリーを意識した7日間になります。
必ず集中して(?)イージーに徹してください。仮に第1週〜3週まで思った以上にトレーニングがこなせなかったとしても、第4週に消化できなかったメニューを持ち越してはいけません。
このあと待ち受ける最終の(第6)クールは、当然のことながら最もハードな4週間が予定されています。ですので、しっかりと練習量をマネージメントし、鋭気を養いましょう。
目標練習量に届かずどうしても不安が残るという人も、ここまで来ていれば週平均で最低5時間のトレーニング量は確保できているはず。
この企画の一番最初に触れてもいますが、これ(週5時間平均)はアイアンマンを完走できる最低ラインといえます。ですのでこの先、また練習量を積み上げていければ自ずと完走への道がハッキリと見えてくることでしょう。
(次回のコラムは7月28日頃の公開となります)

⬇️ トレーニング強度の指標(基本資料)

※タップして拡大できます

>> トレーニング強度による運動時心拍数の算出方法はこちらを参照 ※リンク

【 第5クール・4週間プログラムの一覧&週単位のトレーニング時間 】

最後に、今回第5クールの全体プログラムを一覧で紹介します。こちらも参考にしてください。 ※表をタップして拡大できます

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⬇️ アイアンマンジャパンみなみ北海道・大会HP
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指導/宮塚英也(みやづか ひでや)
現役時代、宮古島トライアスロン4勝、第1回ロングディスタンス日本選手権優勝など数々の実績を挙げ15年以上トップを走り続けてきたレジェンド。特にアイアンマン世界選手権コナ(ハワイ)では計13回出場し、9回の20位以内のリザルトをマーク(うち2度のトップ10入り)。世界でも5本の指に入る金字塔を打ち立てている。
9月14日に行われるアイアンマンジャパンみなみ北海道では、昨年に続き大会スーパーバイザーとしてレースアドバイスなどに携わっている。

>>【チャレンジ企画】アイアンマンジャパンみなみ北海道『レース攻略 6カ月計画』の連載コラム一覧 ※リンク

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