《Hawaii 特集》ブルンメンフェルトが語る “カデックス TRI” / アイアンマン・ハワイ最有力アスリート紹介 & 注目バイクチェック

IM 世界選手権

10月8日(日本時間10月9日/午前1時25分〜)に3年ぶりにハワイで行われるアイアンマン世界選手権・プロ男子がスタートする。

中心となる選手はやはりクリスティアン・ブルンメンフェルト(ノルウェー/写真下)。昨年の東京オリンピックを征し、1年も経たない今年5月にアメリカ・ユタ州セントジョージで行われたアイアンマン世界選手権で優勝。
以降もコリンズ・カップなどで突出した成績をマークしている。(※写真をタップするとフルサイズで画像が見られます)

今回のハワイは、もちろんブルンメンフェルトの世界選手権連覇なるか、に大きなフォーカが当てられているが、彼が今シーズンから利用しているトライアスロンバイク “カデックス TRI” のハワイデビューにも注目しているファンは多い。

そんな彼のバイクについてのインプレッションや今後のレースに向けてのビジョンを本人に聞いたのでお届けしよう。

レース&トレーニングにもストレスのない機能を搭載

なんと構想&開発に5年を費やしたというこのスペシャルモデル。もちろんブルンメンフェルトも開発に関わっており、「特に今年、ユタのアイアンマン(世界選手権)をターゲットにしたとき、ロングディスタンスのレースにどういった機能があればアドバンテージにつながるかなどを一緒に研究し、アドバイスもしたんだ」(ブルンメンフェルト)

全体構造&デザイン制作をメーカーが、細部のアッセブルや機能性などについては、これからロングディスタンスの世界チャンピオンを目指すために必要なエッセンス、ブルンメンフェルトの考えなど具現化して生まれたフレームといえる。

「明らかに見た目がほかのバイクと違うだろ?(笑)これも考え尽くしての形なんだけれども、重厚感のある印象とは別に、ロングトライアスロンでのユーザービリティーに優れた機能がフレームと一体化しているところに注目してもらいたいね」

その大きな特長のひとつが、ボリュームのあるダウンチューブ内に装備されたストレージだ。
「2ボックス・ハイドレーションといえるかな。ひとつにドリンク、もうひとつに補給食をセットできるのでライド中に必要な機能すべてがインテグレーテッド(一体化が)可能。ドリンク用のアタッチメントやボトルケージなどが必要なく、エアロダイナミクスを突き詰めたフレームデザインをフルに活かせるわけだね」
フレームのボトムブラケット部分にも工具入れ装備。このあたりも彼のアイデアが含まれているのだろう。

さらにはDHアタッチメントを中心に幅広いポジション調整が可能。
これらを総じてブルンメンフェルトは、「コンフォータブル(快適)」と表現している。これはレースだけでなく、トレーニング時にも実感しているようで、「とにかくスムースな補給が可能。ライド前の準備も手間がかからないのでいいんだ。ストレスフリーといえるかな」とのこと。

「ボクの考えは、アイアンマンでアドバンテージを得られるバイクとは、速さの追求だけでじゃなく快適性を兼ね備えたモデル。そのバランスが絶妙にアジャストできる点もベスト・パフォーマンスバイクだと感じているよ」

シート&チェーンステーにあたる後ろ三角のフレーム形状も特徴的。これはクッション性と空力性を融合させたデザインと思われ、今後のトライアスロン&TTバイクのトレンドとなりつつある

ファスト&コンフォータブル。
史上初の同一年アイアンマン制覇を目指すブルンメンフェルトが土曜日(現地時間)、このバイクでどのような走りを披露するか注目しよう。

2024年はパリ、その後またハワイを目指す

以前から公言しているとおり、今回ハワイの記者会見でも彼は、「アイアンマン世界選手権のあとは2024年のパリ五輪を目指す」とコメントしている。

「今後のスケジュールを考えると時間に余裕はない。だからシッカリとトレーニングプランをマネジメントしていかなければね」
これは8月にスロバキアで行われたコリンズ・カップのときのインタビューで教えてくれたビジョンだ。

パリでは東京オリンピックと比較して、勝つのはさらに難しくなっていくと感じているブルンメンフェルト。選手もレースも進化は止まらないし、新たなアスリートのショートディスタンスでの台頭もあるだろう。

常にフレンドリーでサービス精神旺盛なブルンメンフェルトは各国メディアの人気者でもある

2021年8月にオリンピック、2022年はロングディスタンスがメイン。そして2022年後半から2024年に向けてはまたショートディスタンスへ。
規格外のひとことでは片付けられないビジョンだが、彼ら(ノルウェー・チーム)は2021年の段階から、いやブルンメンフェルトが語ってくれたプランニングの内容を吟味すると、もっと前からそのシナリオを描いていたのではないだろうか。

「これまでの科学的アプローチをさらに突き詰め、細胞レベルにフォーカスして能力を高めていくくらいのつもりで準備していけば、もっと強くなれるだろうし、自分はできると思っている。そしてパリ五輪が終わったあとは、再びアイアンマンに挑戦していきたいと考えているんだ」

スロバキアでそう締めくくってくれた彼が目指す高みは、一体どれだけのものなのだろうか。
まずは明日のアイアンマン世界選手権へ。ブルンメンフェルトの挑戦は続いていく。

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