10月8日にハワイ島コナで実施されたアイアンマン世界選手権(ハワイ)の男子プロ3位となったクリスティアン・ブルンメンフェルト(ノルウェー)が、10月28、29日にアメリカ・ユタ州セントジョージで開催されるアイアンマン70.3世界選手権に出場予定であることが分かった。
実現すれば、すでに同レース参戦を表明しているグスタフ・イデン(写真下)との最強ノーウィージェン・デュオの再戦が早くも見られることとなる。(※写真をタップするとフルサイズで見られます)
今後、両名とも2024年のパリ五輪へターゲットを絞っていく予定の中、ブルンメンフェルトは今回ハワイのレース後記者会見で、3週間後の70.3セントジョージ参戦については名言を避けていた。
しかし、ここにきての出場表明の理由については、想像の域を超えないがふたつ考えられる。
ひとつは、このあとロングディスタンスからショートへトレーニングメニューを移行していく過程の中、ミドルディスタンス参戦は、比較的マネジメントしやすいスケジューリングが可能ということ。
ハワイ後、その疲労度を考慮しても、セントジョージで十分にパフォーマンスが発揮できるという手応えを感じているのだろう。
そしてもうひとつはハワイで味わった悔しい想いが、同月末実施の70.3世界選手権へのモチベーションを掻き立てたとうことだろう。
同胞で友人でもあるグスタフ・イデンのハワイ初優勝には素直に祝福&嬉しい気持ちはあるものの、そこはお互い、個人リザルトが活動価値として明確に評価されるプロトライアスリートの世界。
「コナでのレースは素晴らしかったが、まだボクは結果に枯渇しているようだ」とその後コメントしているように、新たなるタイトル獲得に向けて2022シーズンのアクセルを緩めないつもりのようだ。
これで70.3世界選手権連覇を目指すイデン(2021年大会優勝)、ブルンメンフェルト両名とも、ハワイ島からアメリカ・メインランドへ舞台を移し、再びハイレベルなパフォーマンスで競い合うこととなる。
もちろん、セントジョージでは70.3世界選手権として多くの有力選手がズラリと名を並べるが、話題の中心はやはりこの2人になるだろう。
目が離せない女子のトップ3対決
一方で70.3世界選手権・女子のレースでは、今回ハワイ2位に入りケガからの完全復活を果たしたルーシー・チャールズ-バークレー(イギリス/写真上)、今シーズン、ミドル3度目の挑戦となる東京オリンピック金メダリストのフローラ・ダフィ(バミューダ/写真下)の直接対決に注目が集まる。
チャールズ-バークレーはハワイの疲労度、ダフィはその後母国で行われるワールドトライアスロン・チャンピオンシリーズに向けてのコンディションの関係で、出場について若干の不確定要素は考えられるが、70.3世界チャンピオン獲得への意欲はやはり並々ならぬものがあるはず。
さらには、8月のコリンズ・カップでダニエラ・リフ(スイス)に続く女子全体の2位のタイムをマークし、PTOカナディアン・オープン、USオープンを征し、今ミドルで一番実績を積み重ねているオーストラリアのアシュリー・ジェントル(写真下)との、ハイレベルな三つ巴の争いが予想される。
またチャールズ-バークレーにも70.3世界選手権連覇の期待がかかっており、いずれにせよ、アイアンマンシリーズの(70.3を含む)シーズン・クライマックスはまだまだ続くこととなる。