2022年のワールドトライアスロン・チャンピオンシップシリーズ(WTCS)の開幕となるレースが、5月14日に横浜で開催された。
最初に10時16分から女子エリートがスタート。出場者42人の中から、バイクパート終了時の段階で先頭集団に絞り込まれたのは9人。その中には、昨年の東京オリンピック金メダリストのフローラ・ダフィ(バミューダ)、昨年の横浜のレースを制したテイラー・ニブ(アメリカ)などが含まれており、レースの中心になると思われた。
そんな中、最後のランの接戦を制したのは東京オリンピック銀のイギリスのジョージア・テイラー – ブラウン(写真下)。2位のレオニー・ペリオー(フランス)と6秒、3位のダフィーとは11秒の差をつけての勝利だった。
「今シーズン最初のレース(51.5km)だったのでハードでしたね。最初は信じられないスピード感でした。バイクパートは、レース前の予報(雨)で心配な部分もありましたが、フローラ(ダフィ)やテイラー(ニブ)など、バイクの強い選手たちと先頭パック内でうまくコミュニケーションをとりながら進められたのがよかったです。このあとのメインは7月にイギリス・バーミンガムで行われるコモンウェルスゲームズ(英連邦競技大会)。その後パリ五輪への出場枠獲得のため、対象レースにフォーカスしていきます」(テイラー – ブラウン)
そう、パリに向けての戦いもすでにスタートが切られているのだ。
なお、日本人トップは20位に入った高橋侑子(相互物産/写真下)。現在、ヨーロッパを拠点にトレーニングを積んでおり、久々の日本でのレースに沿道からの熱い声援、そしてパワーをもらっての力走だった。
【気になるダフィの今後のレース・スケジュール】
TRIATHLON LIFE が注目したのはフロラー・ダフィの今後の予定。昨年、東京オリンピックを制したあと、クリスティアン・ブルンメンフェルトと共にアイアンマン・ハワイに招待枠出場を打診され、話題を呼んだことは記憶に新しい。
今月7日に、アメリカ・ユタ州セントジョージで行われた、アイアンマン世界選手権のプロ出場権利保持者リストにも名前が載ってはいたが、実際には出場していない。一方で、ブルンメンフェルトがアイアンマン世界チャンピオン奪取の偉業をなし得たばかりで、そのあたりも聞いてみた。
「今年は、まずWTCS全戦に出場する予定です。その中でも私の母国、バミューダで11月に行われるレースが最大のターゲット。私にとってのビッグレースですね。あとはアイアンマン70.3世界選手権(10月/セントジョージ)に挑戦したいと考えています。そのため(出場権を得るため)にアイアンマン70.3レースに数大会出ることになるでしょう」
「クリスティアン(ブルンメンフェルト)のアイアンマン世界選手権優勝は本当にすごいですね。彼がアイアンマンへ行ったのだから、同じ東京五輪で金メダルの私も出場しなければいけないのかしらと感じたりもしますが(笑)、今はショートのレースを本当に楽しんでいるんです。今の私にとってはショートとアイアンマンとは全然別なもので、(アイアンマン出場は)正直分からないですね。ルーシー(チャールズ – バークレー)は多分出場すると思いますけど」
とのことだった。まずは彼女の今年のWTCS、そしてアイアンマン70.3での活躍に期待をしよう。
【エリート女子・上位リザルト】
1位 ジョージア・テイラー – ブラウン(USA)1:51:44
2位 レオニー・ペリオー(フランス) 1:51:50
3位 フローラ・ダフィ(バミューダ) 1:51:55
20位 高橋侑子 1:57:35
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