2022年のトライアスロン・シーズンが南半球から本格スタート。
国土の南北距離が約4,500kmに及ぶチリの首都・サンティアゴから南へ650km、観光地で有名なプコンで『アイアンマン70.3 Pucon』が1月9日に開催された。
この注目レースのプロ男子を制したのはスペインのハビエル・ゴメス(写真上)。バイク終了時までは5人でポジションを争ったが、21kmのランを1時間10分4秒でカバーし、後半は独走で勝利した。
昨年の東京オリンピックは25位と振るわなかったが、51.5kmの世界チャンピオンに幾度も輝きアイアンマン70.3世界選手権はこれまで2度制覇、フルディスタンスのアイアンマン(2019年マレーシア)でも優勝実績をもつゴメス。5月のアイアンマン世界選手権(アメリカ・セントジョージ)も視野に入れており、2022年注目しておくべきアスリートのひとりだ。
プロ女子のレースは、こちらも昨年の東京オリピックに出場(32位)したブラジルのルイザ・バプティスタがトップでフィニッシュ。同レースを5度制している地元のバルバラ・リベロス(チリ/写真上)を抑えて、今季のオープニングレースを飾っている。
<プロ男子リザルト>
1位 Javier Gomez (ESP) 3:50:54
2位 Lucino Taccone (ARG) 3:52:51
3位 Reinaldo Colluci (BRA) 3:58:12
<プロ女子リザルト>
1位 Luisa Baptista (BRA) 4:17:12
2位 Barbara Riveros (CHI) 4:25:16
3位 Romina Palacio (ARG) 4:42:54
【さらに活況を呈する70.3シリーズだが・・】
これと前後してアイアンマンの主催者は今年、ヨーロッパで新たに2つの70.3レースを開催すると発表。7月3日のノルウェー・サンネスと10月23日のギリシャ・ヴォウリアグメ二大会で、いずれも2023年8月末にフィンランド・ラハティで開催される70.3世界選手権の出場枠が当然与えられることとなる。
サンネスはフィヨルドへの玄関口に位置する申し分のないロケーション。そして特筆すべきはギリシャのヴォウリアグメ二で、首都アテネから約20km南下するこの街は、2004年のアテネ・オリンピックのトライアスロン会場となった歴史的な場所だ。
スイムコースこそ(オリンピックと)異なるが、ランの一部はアテネで海岸線を走ったバイクコースと重なるなど、風光明媚でメモリアルなレースを満喫できることだろう。
ちなみにではあるが今般の2大会誕生で、2022年のアイアンマン70.3シリーズは、開催日未発表も含めると実に全世界で50以上を数えるまでとなった。引き続く世界的な人気&ネットワークを誇るといえるのだろうが、その一方でますます加速する拡張路線に、一家言を持つ向きもいるのではないだろうか。
そのあたりの見立ても今後コラムとしてまとめ、紹介していくこととしたい。
2004年アテネ・オリンピックの舞台となったヴォウリアグメ二のロケーションはこの上ないものといえる
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