アイアンマングループは7月28日に、2023年のアイアンマン・ハワイ(アイアンマン世界選手権)も2日間開催とすると発表した。
レース日は2023年10月12日(木)と14日(土)。プロカテゴリーについてはこちらも2022年大会同様、女子を木曜日、男子を土曜日に実施する。
アイアンマン・ハワイは今年2022年大会に始めて2日(10月6日、10月8日)に渡って開催されることになっており、2年連続同じスケジュールとなる。
さらに2023年大会に向けては、世界で開催される17のアイアンマンを『Women For Tri イベント』に指定し、それぞれの大会で女性のスロット(出場枠)を増やすことも発表。
実数としてはトータルで1,260が追加で設けられる予定だ。
もちろん、これは女性のアイアンマンへのさらなる参加を増やす目的があり、この1,260人枠の増加により、2023年のアイアンマン・ハワイ出場者の女性比率も高まることになる。
今年のアイアンマン・ハワイではプロ・カテゴリーのスタートが2日間にわたって繰り広げられることとなる
今回のレース2日開催の継続決定を機に、アイアンマン・シリーズ全体の発展を見据えた新たなレギュレーションといえるだろうか。
一方で、今年のハワイ2日間開催については冷静に分析し、評価しようというメディアは各国でみられるようだ。
その象徴的なシーンが、今年5月にアメリカ・ユタ州セントジョージで開催されたアイアンマン世界選手のプレスカンファレンスで見ることができた(写真下)。
冒頭の主催者挨拶のあと、大会に対する質問を受け付けたところ、セントジョージのことではなく、今年のハワイに集中したのだ。「10月のハワイの2日間開催についてどう考えるか?」「2日間のマネージメント・プランは?」「参加者増によりハワイのステータスが下がるのでは?」といった内容に。これには少し、主催者も動揺した雰囲気に見えたのは事実だった。
その一方で主催者は、「アイアンマンイベントに出場するアスリートの数は過去20年間で大幅に増加しているが、アイアンマン世界選手権に出場できるアスリートの数は比較的横ばいのまま。今回の2日間開催により、世界の舞台で競うに値するトップ・エイジグルーパーたちのチャンスが広がることは、非常に意義があることだと考えます。そして、シリーズ全体のスロットが増えたとしても、ハワイ出場の権利を得られるのは、世界で行われているアイアンマン参加者の6%未満と予測します」と公表している。
今年5月に実施されたアイアンマン世界選手権2021(セントジョージ/写真上)。男女とも世界選手権に相応しいハイレベルな戦いが繰り広げられた
ただ客観的に見れば、今年のハワイが2日間開催で出場者が増えたことは事実だが、3年ぶりの実施となる間、それまで行われていた各アイアンマン・レースでのスロット数は大枠変わっていないはず。
だとすると非常に乱暴な見方ではあるが、今年に限っては、先の主催者の指すハワイ参加枠の獲得率は、以前までとそう大きく変わらないではと考えられる。(これには、5月のセントジョージ出場をチョイスした人数との兼ね合いもあるので、推測の域を超えないが)
いずれにせよ、今年10月には史上初めてアイアンマン・ハワイが2日間実施され、そして翌年に、次の新たな枠組のシリーズ展開が始まる。
これによって変わるところ、変わらないところがあるのは当然のこと。
それをどう受け止めるか、評価するかはまずもってして出場者だ。そしてメディアも含めた関係する各人次第となるのだろう。