クラッシュ・デイトナ。2000年前半にドイツ南部、ロートで誕生した「チャレンジ・ロート」が発祥となり、ミドル〜ロングディスタンスの種目を中心としたトライアスロン大会として、世界各国でネットワークを広げている “チャレンジ・ファミリー” のシリーズ・イベントのひとつで、アメリカ・フロリダ州にて12月に行われるレースだ。
前回までは “チャレンジ・デイトナ” として開催。昨年は世界中のメジャーレースがコロナウィルスの影響で中止になる中、男女プロの優勝者それぞれに約1,100万円、総額1億1,500万円という破格の賞金を用意して大きな注目を集めていた。
今年は、その相当賞金を8月に実施された コリンズ・カップ に譲ったかたちで、大会名も一新され開催されている。
ちなみに、2022年3月には同じフロリダで、シリーズレースとなる「クラッシュ・マイアミ」が予定されているとのこと。
舞台となるのはデイトナ・インターナショナル・スピードウェイ。
カーレースで有名なオーバルコースをメイン会場として3種目を実施。レースウィークとなる12月3日(金)から5日(日)の間、キッズトライアスロンに始まり、5kmのラン&ウォーク、スプリントトライアスロン(S800m+B20km+R5km)、スプリントデュアスロン(R1.6km+B20km+R5km)、ミドルトライアスロン(S1.9km+B90km+R21km)、ミドルデュアスロン(R5km+B90km+R21km)と一般種目がラインアップ。
まさにトライアスロンの祭典で、メインとなるプロカテゴリーのトライアスロンは12月4日に実施、距離はスイム2km+バイク80km+ラン18kmのレースとなる。
注目はアイアンマンでも注目されている豪華な出場アスリートたちだった。
男子は何といってもクリスティアン・ブルンメンフェルト(ノルウェー/写真下)だ。彼は2週間前にメキシコのリゾート地で行われたアイアンマン・コスメルで7時間21分12秒のアイアンマンのレーコードタイムをマークして優勝。そのまま舞台を約800km北東へ移し、3時間8分31秒という、これも圧倒的なパフォーマンスを披露して優勝している。
女子は9月に実施されたアイアンマン70.3世界選手権で9位に入っているアメリカのジャッキー・へリング(写真下)が、ルーシー・ホール(イギリス/写真最下)を抑えてトップでフィニッシュ。タイムは3時間32分49秒だった。
このクラッシュ・デイトナは先述のコリンズ・カップを主催する組織、PTO(Professional Triathletes Organization)の関連大会であり、各国のトップアスリートからも注目されているイベント。もちろん、PTOが主催するプロランキング・ポイントの対象大会だ。
この2021年ランキングは12月末で確定し、男女ランキング1位に与えられる賞金1,100万円(総額で2億2,000万円)の行方にも注目が集まるところ。
世界のトライアスロン・シーンは新しい価値観の創出や、次世代イベントの誕生による影響も受けながら、2022シーズンに向けて激しく動き始めている。